おすすめ絵本

「絵本フォーラム」第104号(2016.01.10)








ちいさなふしぎな森

『ちいさなふしぎな森』
新宮晋/作
BL出版

 雲の下に見える小さな森。近づいてみると、木の上で鳥が歌い、花畑に蝶々が飛んでいます。雨が降ると魚やカエルが大喜びし、その後、虹が出ます。夕日が照らし、満点の星に包まれる森は、緑や赤や紫に染まります。この絵本は、これらの風景が立体的な仕掛けで作られています。鳥が歌う木がにょきっと立ち上がったり、虹が出たり、満点の星空が画面いっぱいに広がる造型は美しく、プレゼントにもぴったりの絵本です。
(税込価格3780円)


にんじんのにんにん

『 にんじんのにんにん』 
ふるやかおる/作 
アリス館

  にんじんの「にんにん」は、冬の間、ぐっすり土の中で眠って、暖かい春になると、次々とにんにん忍法を使います。最初は「ぐんぐん どんどん のびるの 術」。「にん」と術を唱えると、頭の上の小さな芽から緑の茎がのび、それはぐんぐん伸びて花を咲かせます。花がかれると、種ができ、それを「一粒万倍 分身の術」を使って世界に飛ばします。オレンジ色のにんにんがかっこよく、命の循環がユーモラスに描かれています。
(税込価格1512円)









みんなでつくる一本の辞書

『みんなでつくる一本の辞書』
飯田朝子/文 寄藤文平/絵
福音館書店

  著者が留学生の友人から電車も柔道の勝負も「一本」と数えるのはなぜかと聞かれたことをきっかけに、「本」と数えるものを集めて、特徴や歴史をひもといた本。例えば、細長くて棒状のもの、ズボンのように輪になっているもの、缶ジュースのように容器に中身が入ったものなどに「本」をつけて数えると書かれています。イラストで説明され、索引もあるため、とてもわかりやすく、ふだん使っている言葉の奥深さに気づくことができます。
(税込価格1404円)


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