私の絵本体験記

「絵本フォーラム」104号(2016年03.10)より

絵本と過ごす時間

玉井 亜佑美(兵庫県神戸市)

絵本と過ごす時間 「もういっかい!」 「つぎ、これ!」 「読んで、読んで!」  これらの子ども達の声を聞く度に、幸せな気持ちになります。現在、5歳と2歳になったばかりの男の子です。

 長男は最近、『もりのへなそうる』に夢中です。一冊読み聞かすには時間がかかりますが、集中して聞いてくれるので私も楽しんで読んでいます。先日、突然毛布を居間に敷きはじめました。それを船にみたて、色々な物を持ち込み、探検ごっこを始めました。本の中でお兄ちゃんのてつた君がした様に、お弁当を作ってと私に頼み、弟も一緒に冒険に連れていき、楽しんでいました。

 次男は『しろくまちゃんのほっとけーき』が大好きです。ほっとけーきを焼き上げるシーンでは、絵から次男の口に運んでやると、パクパクと嬉しそうに食べてくれます。休日に本物のホットケーキを焼くことがあると、その度に大喜びでボールをおさえたり、粉と牛乳をまぜるお手伝いをしてくれます。

 子ども達は本の中で小さな喜びや悲しみを一緒に体験し、それを自分の生活体験に結びつけます。いつかその体験が積み重なり、豊かな心を育んでいってほしいとも思います。でも、今は何よりも、ただただ楽しみとしてこの時間を過ごしてくれたらと思っています。

  絵本を読み終えたあとに、子ども達がつく深いため息が好きです。目は遠く、心がどこかへ旅をしているように思います。そして、私も幸せな気持ちでいっぱいになります。 絵本の時間は、子どもだけでなく私にとってもかけがえのない大切な時間です。
(たまい・あゆみ)


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