私の絵本体験記

「絵本フォーラム」107号(2016年07.10)より

読み聞かせで子どもから学んだ事

星野 弘恵(新潟県三条市)

読み聞かせで子どもから学んだ事 私は、現在高校2年生の息子と小学校4年生の娘を持つ二児の母です。

  子育てでの絵本の読み聞かせは、私にとって至福の一時でした。一緒に笑ったり涙ぐんだり、絵本の世界を共有できることがとても楽しい思い出で、そして、二人から学んだ事があります。

  息子からは、もっと真剣に絵本を読まなければと気づかされた事です。当時彼が4歳、『そらまめくんとめだかのこ』の絵本を読んだ時、川の流れで親子のめだかが離れてしまうシーンで、息子が突然号泣しました。めだかの子が母めだかとはぐれてしまった悲しみを共感し、彼が絵本の世界に入り込んだ事を知りました。

 『きょうはなんのひ?』の絵本のラストに感動した私は、娘に紹介しました。娘は既に知っていて、「だからこの前手紙の宝探しをしたよね!」と言うのです。そういえば先日手紙探しをして、メッセージカードと赤玉を貰い、嬉しくなった事を思い出しました。娘には主人公のような優しい女の子になってほしいと思っていましたので、娘がしてくれていた事にとても感激し、娘を抱きしめました。私たち親子の心の交流(愛情)を感じられた出来事でした。

  よい絵本との出合いは、子どもの感受性に大きく影響するものだと思います。私が自分の実体験で子ども達から感動を貰ったように、多くの方々に感動体験をして頂きたく、絵本で子育てしていく大切さを、絵本講師となって語っていきたいと思います。
(ほしの・ひろえ)


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