おすすめ絵本

「絵本フォーラム」第112号(2017.05.10)









とのさまと海

『とのさまと海』 
三遊亭白鳥/作 小原秀一/絵 ばばけんいち
/編 あかね書房

 どうしても大物を釣りたい殿のために、家来のさんだゆうは、釣りの名人初代「すけぞう」の骨で作った釣竿を借り、殿と船に乗ります。釣竿は、殿に「へたくそ」と言いますが、大物を釣るのを手伝って大活躍。大きな魚が釣れました。浮世絵風の絵がユーモラスで落語を元にしたストーリーにぴったり。魚で構成された文字や骸骨など、歌川国芳ばりの絵も楽しめます。
(税込価格 1,620円)


くまさん

『くまさん』 
まどみちお/詩 ましませつこ/絵 こぐま社

 春が来てこぐまが目覚めました。けれど、「ええと ぼくは だれだっけ」と思い出せません。そこで、つくしが出ていたりすみれが咲いたりしている野原をゆっくり歩きます。そして、川で自分の顔を見て「そうだ ぼくは くまだった」と喜びます。こぐまの眠そうな表情や自分を確認して喜ぶ顔の表情が春の自然の様子とともに生きる喜びを感じさせてくれます。
(税込価格972円)









わたり鳥

『わたり鳥』 
鈴木まもる/作・絵 童心社

 春、100種類以上のわたり鳥が南の国から日本まで飛んできます。冬は、100種類以上のわたり鳥が北の国から飛んできます。ヨーロッパとアフリカ間もアメリカ大陸間もわたり鳥が行き来しています。この絵本には、大きさや羽の色や飛び方の異なる世界のさまざまな鳥たちが空を行き来する様子が描かれ、その美しさと迫力に魅入ってしまいます。そして、作者の「鳥たちが自由に空を飛べる世界」への願いに共感します。
(税込価格1,620円)


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