おすすめ絵本

「絵本フォーラム」第122号
(2019.01.10)









くろいの

『くろいの』 
田中清代/作 偕成社

 女の子が一人で家に帰っていると、他の人には見えない「くろいの」を見つけます。女の子の背丈の半分ぐらいで、頭の大きい「くろいの」は、女の子を誰もいない一軒の家に案内し、カラッポの押入れから屋根裏へと誘います。女の子と「くろいの」はそこで、かくれんぼやブランコなどの遊びに夢中になり、眠りにつきます。エッチングの絵によって、女の子の空想世界が魅力的かつあたたかく描かれています。

(税込価格1,512円


せん


『せん』
スージー・リー/作 岩波書店

 表紙をめくると、白い紙の上に鉛筆と消しゴムがあり、1ページ目からは女の子がスケートをすべる軌跡が鉛筆の線で描かれていきます。回転したり、ジャンプしたり、女の子は自由自在な線を描きますが、転んでしまいます。そして、線が描かれていた紙もくしゃくしゃに丸められてしまいます。丸めた紙が広げられると、女の子の友だちが来て、鉛筆で塗りつぶされた画面に白い線でスケートの軌跡を描きます。美しい「せん」の絵本です。


(税込価格1,944円









石はなにからできている


石はなにからできている?』 
西村寿雄/著 武田晋一/写真
岩崎書店

 月の石の写真から始まる本書は、「キラキラしたつぶつぶが見える、白っぽい石」「つぶつぶはあるが、キラキラしない石」など、誰もがわかる表現で、身近な石が紹介され、その成り立ちが説明されています。そして、海辺の石に続き、宇宙から見た地球の写真で終わります。写真が魅力的で、石を通して私たちが生きている地球の長い時間を想像することができる科学絵本。巻末には、花崗岩などの名称や分類などの説明も書かれています。


(税込価格1,728円


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