私の絵本体験記
「絵本フォーラム」509号(2007年01.10)より
「絵本は我が家の宝物」
植村 美季さん(大阪府大東市)

 朝起きるとまず本棚へ行き、「読んで」。これが3歳の息子の一日の始まりです。もちろん寝る前もお約束で、たくさん読んでいます。ふだんの親子会話にもよく絵本の一節が出るのですが、そのときもすぐ本を取りに行き、読まされます。一日に何冊読んでいるか、数え切れません。
  私は本が嫌いで、あまり読まないまま社会に出たので、読解力と会話力のなさに恥ずかしい思いをたくさんしました。こんなふうになってほしくない、本好きになってほしい、そして私も子どもと一からやり直したいという気持ちから、『ほるぷこども図書館』にお世話になることを決意したのです。本嫌いだった私も、これだけ読まされるとさすがにストーリーが気になるので楽しくなり、今や絵本のとりこになりました。購入に反対していた主人も今や、仕事で疲れているにもかかわらず読んでくれるようになりました。でも、たまに読みながら居眠りをしてしまい、息子が「絵本はパパのこもりうただなぁ」と仕方ない顔をするので、大笑いしてしまいました。妹にも読んであげたり、絵本のおかげで優しさ、笑顔があふれ、家族とのきずなが深まりました。近ごろ、息子の集中力や想像力も高まったように思えます。
  家事に追われていても、読んでと言われると手をとめて読んであげます。以前はこんなことできなかったのですが、聞いているときの子どもの真剣なまなざしと笑顔を見ていると、何とも言えない心温まる幸せを感じ、心地よい気分になるので、読んであげられるのです。絵本は我が家には欠かせない、大切なものです。

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