リレー

絆の深まりを感じている毎日
(岩手・みどりが丘保育園保育士 ・佐藤 里美 )


 
  私の保育園では、 10年程前からテレビやビデオのない環境で毎日を過ごしています。せめて保育園にいる時だけでもメディアから離れてもらいたいという気持ちから絵本の読み聞かせを始めました。

 各クラスには、年齢に合った絵本がコースで用意されていますので、朝・昼・夕方と時間を見つけて読み聞かせを楽しんでいます。0歳から絵本に親しんでる子どもたちは語彙や表情が豊かになり、聞く力も身についてきました。静けさの心地良さや安らかさを取り戻した子どもたちの様子を見て、絵本の魅力を実感しています。

 運動会などの行事では、団体で移動することを伝える時「絵本のスイミーのように」と言うだけで保育者と子どもたち一人ひとりのイメージが共有でき、みんなで列を崩さずにかけっこの場所まで仲間であることを意識しながら移動することができました。絵本の力を借りながら保育をすることにより、保育者と子どもたちとの絆の深まりを感じている毎日です。読み聞かせは、子どもの心を動かす、そんな力があることも知りました。今後も子どもたちと一緒に絵本の世界を楽しんでいきたいと思います。

 保護者の方々には、子どものお気に入り絵本をお知らせしたり、おすすめ絵本コーナーで絵本を紹介しています。親子の絆、信頼関係や愛情によって子どもたちの心が豊かに育っていけるよう絵本で子育てすることの楽しさを保護者の方々に知って頂けるよう、今後も取り組んで行きたいと思います。

絵本フォーラム57号(2008年03.10)より

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