気持ちが外へ、外へと向かっていた夏が、いつの間にか遠ざかり、自らの内面と対峙する秋がやって来ました。我が家の子どもたちも、真っ黒に日焼けした肌が少しずつ落ち着くように、平静を取り戻しつつあります。さあ、今日は何を読もうか?−絵本棚の前で、迷いに迷っているわが子の背中を、幸福な気持ちで眺める日々です。
「こんな日だってあるさ」
本書の原題を直訳すると「今日は最悪の一日」。そうです。ロナルド・モーガンは、この日、次から次へ失敗を繰り返し、本当についていないのです。鉛筆を落としたのが、そもそもの始まり。机の下で鉛筆を探している姿が、まるでヘビのようだと笑われ、彼は「くねくねちゃん」と呼ばれることに。さらに、包みを間違えて、クラスメートのランチを食べてしまったり、野球のボールを取り落としたり、教室の鉢植えを割ってしまったり…。担任のタイラー先生に散々叱られ、手紙まで渡されてしまったロナルドは、しょんぼりと家路に着きます。
ここまで読んで、私たちは思うことでしょう。かわいそうに、家に帰れば、先生からの手紙を見たご両親に、またこっぴどく怒られる!ところがその手紙には、心のこもった暖かい言葉が綴られていたのです。やることなすこと、すべてが裏目に出てしまうというような日が、子どもにだってあります。そんな時、私たちはタイラー先生のように、すべてを優しく包み込み、明るく笑い飛ばして忘れてしまうような大らかさを持って、子どもを励ましてあげたいものです。
|