私の絵本体験記
「絵本フォーラム」62号(2009年01.10)より
「私のブックスタート 」
今磯 桂子さん (福岡県福岡市)

 もともと私自身に、あまり本を読む習慣がありませんでした。1歳違いの妹は絵本も本も大好き。姉妹なのになんでこんなに違うのかな〜と考えるようになったのですが、絵本講座で学ぶようになって気づいたことがありました。私は祖父母と一緒に寝ていましたが、祖父母には本を読む習慣がありません。一方、妹は父と母と寝ていて、毎日毎晩たくさんの絵本を読んでもらっていました。私たち姉妹の天地ほどの違いが子どもの頃の読み聞かせに深く関係しているように思います。

 子どもたちには“本を読めない人間”になってほしくないなと思い、上の子の妊娠中に「子どもと一緒に絵本から始めよう!」と思い、読み聞かせを始めました。これが私のブックスタートとなりました。本が苦手だった私も、絵本を読むようになってから本にも目が行くようになりました。またブックスタートしたのは私だけでなく主人もです。主人は子どもが苦手な上に、一人っ子だからか兄弟で関わることや遊びを知りません。ここで、もっとも簡単に遊ぶ“手段”として絵本が登場することになりました。最初は手段としてでしたが、子どもたちが「パパ、えほん読んで〜」とワクワクして持ってくるようになると楽しくなった様子。パパの声を聞いて育つということが、大切なことだと感じるようになりました。

 我が家には 4歳と3歳の息子がいて、毎日一緒に夜寝る前に読んでいます。子どもたちはとにかく絵本が大好きで、思い思いの絵本を探してきます。かわいい寝顔を見ながら「今日読んだ絵本の夢をみてるかな?」と、ますます子どもたちを愛しく感じます。

 今の世の中にはテレビや雑誌が氾濫し、本を読まない人がたくさんいます。でも絵本からブックスタートすれば、きっときっと本を好きになってくると思います。その楽しさを、絵本の大切さを伝えていけたらいいと思っています。

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