私の絵本体験記
「絵本フォーラム」67号(2009年11.10)より
「娘の支えになってくれる事を願って 」
永冨 雅義さん (福岡県前原市)

 自分で言うのも何だが、かなり涙もろい。『さっちゃんのまほうのて』は、何度読んでも泣けてきます。『流れ星におねがい』も泣いたっけ。

 それは娘が生後 3ヶ月の頃、子どもとの遊び方もわからない。でも絵本を読むことは「私にも出来る子育てだ」と思い購入した「ほるぷこども図書館」2コースが絵本との出会いです。

 読んでいくうちに勝手になめたりかじったり、逆さに見たりして笑ったり、同じところを何回も繰り返して読んでみたり、いろんな反応がでてきて、私も絵本を読むことがどんどん楽しくなりました。

 絵本の生活をするようになつて、「そういえば、この前読んだあの絵本のこと言ってるんだな」なんてお互いの考えていることにピンときて笑ったりするうち、心が落ち着いてきて「寝顔が可愛い」なんてやさしさも出てきました。

 『ちいさいおうち』を読めば、何もかも便利で楽になったのに忙しい生活に空虚さを感じたり、『ろくべえまってろよ』を読めば、大人の不甲斐なさや自ら行動する大切さに気付いたり。

 「読書する」ことで「自分の頭で考える」ということを学びました。

 ほとんど漫画しか読んでいなかった私が、今ではいろんな小説等「読書をする」ことが多くなり、自分自身もちょっとだけ成長したかなと感じています。

 娘が小学生になった今では、苦手な家族ごっこ遊びから逃れる時も「絵本読もうか」、たまに妻が病気の時も「絵本読んで寝ようね」といろんなところで助けてもらっています。

 妻は私が涙もろいのをいいことに、わざと悲しかったり切なかったりする本を目に付くところにおいて、案の定私の鼻をすする音がすると…遠くで「ウシシ」と笑っています。

 これからも、絵本とは仲良く付き合っていきたいと思っています。最後に、絵本と共に家族と過ごした至福の時が、いつか娘の支えになってくれる事を願って止みません。

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