おすすめ絵本

「絵本フォーラム」第68号(2010.01.10)








●『シマリス』
  竹田津実 / 文・写真 アリス館

 北海道の森の中に住むシマリスの生態を獣医師で写真家の著者が観察し、写真と文で記録した本。 5 月下旬、メスは巣作りをして子どもを産み、子育てをする。そして、 8 月に母リスは巣を出て行き、子離れをする。9月になると冬眠の準備のために、どんぐりなどの食料を蓄え、 11 月には初雪が降り、冬眠する。森の中で生活するシマリスの写真が美しい。 (税込み1470円)


 ●『ブルンディバール』
トニー・クシュナー / 再話 モーリス・センダック / 絵 さくまゆみこ / 訳 徳間書店

 ペピチェクとアンニカの兄妹が病気のお母さんにミルクを持って帰るために町に行くが、子ども嫌いで邪悪なブルンディバールに邪魔をされる。しかし、300人の子どもが兄妹と一緒に歌を歌ってお金を稼ぎ、そのお金を盗んだブルンディバールを町から追い出す。兄妹はお母さんに無事、ミルクを買って帰る。ナチスの強制収容所で子どもたちが演じたオペラが元になっており、センダックの個性的な絵が魅力的。(税込み2100円)









『めっちゃくちゃのおおさわぎ』
K.チュコフスキー / 作 F.ヤールブソヴァ / 絵 田中潔 / 訳 偕成社

 コネコたちが「ニャーニャーなくのは あきちゃった!コブタみたいに なきたいよ!」といいはじめてから、アヒルもカエルもスズメもクマも鳴き声をとりかえっこ。その混乱に乗じてキツネの兄弟が海に火をつけ、ワニやアカウオが火を消しに来た。ちょうちょの羽でやっと火が消え、動物たちは大喜びで自分の鳴き声をとりもどして、人間の少女に子守唄を歌った。ロシアの風土を反映した動物の絵がナンセンス詩の楽しさを伝えている。(税込み1470円)


前へ ★次へ