私の絵本体験記
「絵本フォーラム」68号(2010年01.10)より
「兄弟も千差万別 」
若狭 由美さん (神奈川県大和市)

 我が家には3才と1才の息子がいます。読み聞かせをよくした為か、3才の息子は1才を過ぎハイハイが出来るようになった頃から自分で本を持ってきて私に「読んで!」とせがんできました。大きくなるにつれ本への欲求は増し、1才後半には『いずらきかんしゃちゅうちゅう』(福音館書店)など同じ本を1日に5回は平気で読まされました。主人は内容が長いものが多いので、本を持ってくる息子を見ると逃げていった程でした。それは今も変わらず、読み始めると次から次へと持ってきます。
  そんなある日、文字の読めない息子が絵本を開きながら読み聞かせをしてくれました。私の真似をしているのだと思いますが、所々内容が抜けている部分はあるにしろちゃんと絵に沿って話をしてくれます。その時改めて読み聞かせをした実感を得たのを覚えています。
  しかし、それとは逆に下の息子はお兄ちゃんよりもお腹の中から読み聞かせに触れているのに反応は全く違う。読み聞かせをしていても、話を聞く気配もない。聞くよりページをめくって遊んでいる方が楽しい様子。そんなある日、一人静かにしていると思ったら何か声が聞こえてきました。近づいて様子を見ると『いないいないばあ』(童心社)をめくりながら「ばぁ」と口ずさんでいました。興味なさそうだったのに。
  兄弟でも千差万別。それぞれの絵本の受け止め方がとても興味深く、私の絵本の楽しみが一つ増えた気分です。

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