おすすめ絵本

「絵本フォーラム」第74号(2011.01.10)








『ゆき』 
シンシア・ライラント/文 ローレン・ストリンガー/絵 小手鞠るい / 訳 新樹社

 一人の少女が学校で窓の外を見ているとぼたん雪が降り始めます。雪が降り積もった帰り道は子どもの遊び場。そして、夜になると、粉雪が降り始めます。少女はおばあちゃんに絵本を読んでもらって寝てしまいます。次の日は友だちと雪遊び。体をいっぱい動かした後はおばあちゃんとお茶を飲んだり、お話をしたりして過ごします。雪のさまざまな表情を詩的な文と大胆な構図で描いています。


『ゆきふふふ』
ひがしなおこ/作 きうちたつろう/絵 くもん出版

 幼い男の子と女の子が雪が降ってくるのを喜んで、小さな雪玉を作り、それを重ねてころがして雪だるまを作り、雪だるまが太陽の熱でとけていくのを見守っている様子を描いた絵本。雪が顔にかかる様を「おでこに しゅわん ほっぺたに しゅわん」と表現するなどことばの響きが楽しく、かすれた白色の点描かれた雪が画面全体にちりばめられて美しい情景を演出しています。









『もうすぐおしょうがつ』
  西村繁男 / 作 福音館書店

 おもちつきから除夜の鐘をつくまでの家族の風景を描いた作品。お正月のために家族で里帰りをしたひろくんとゆうちゃんは、障子貼りや窓ふきを手伝います。次の日はおもちつき。大晦日は買い物をし、鏡餅やしめかざりを飾って、おふろやさんに行き、年越しそばを食べます。日本の伝統的なお正月準備の風景が犬を擬人化した家族のできごととして丁寧に描かれることでユーモラスな味わいがあります。


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