私の絵本体験記

「絵本フォーラム」75号(2011年03.10)より
生活の中に登場する絵本の言葉
熊谷 ひとみさん(兵庫県神戸市)


 現在6歳娘と3歳息子の子育てライフを満喫しています。「バタバタ」「ワイワイ」「ギャーギャー」と、主にこれらの擬音語で表現できる毎日です。そんな毎日を満喫する必須アイテムは『絵本』です。
  6歳と3歳の子どもですから読む絵本が全て一緒、というわけにもいかないので、娘が幼稚園に行っている午前中は息子が望む絵本を読み、娘が帰ってきた午後には娘が望む絵本を優先的に読むようにしています。
  それでも共通して楽しめる絵本は何冊もあります。そのなかの1冊に『ももたろう』があります。娘は「いさんでどこへおでかけです」と「これさえ食べれば十人りき」というセリフが特にお気に入りのようで、お友達とごっこ遊びをしている時などに自然と出てきます。
  私は、娘の口から初めてこの言葉が出てきたのを聞いた時にはびっくりすると同時にとても嬉しかったことを覚えています。絵本の言葉が娘の中で消化し蓄積されているな、と感じたからです。
  息子は「ひとつくださいおともします」「にっぽんいちのきびだんご」がお気に入りのようです。日常生活の中で出てきます。「ぎゅうにゅう下さいおともします」、と彼なりに消化して蓄積をしているようです。
  兄弟で同じ時に同じ場所で同じ絵本を読んでいるのに関心を置くところが違うのはとても面白いな、と思いながら子ども達の成長を感じています。これからどんな絵本と出会ってどんな影響を受けるのか、とても楽しみです。(くまがい・ひとみ)

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