絵本・わたしの旅立ち
絵本・わたしの旅立ち

絵本・わたしの旅立ち

惜 別

ほるぷフォーラム社 藤井 勇市・事務局職員
絵本講師の会(はばたきの会)幹事一同

中川正文先生の「米寿を祝う会」(2009年1月24日、尼崎市のホテル「ポップインアミング」にて)絵本講師ら30数名が集う


先生の笑顔
有松孝子(芦屋4期生)
 突然のお別れに深い悲しみに包まれています。先生には「絵本講師・養成講座」で初めてお会いしました。『すみれ島』を読んでいただき、涙を流しました。それ以来、私の大好きな絵本として皆さんに紹介しています。先生の米寿のお祝いの席で詩吟を披露させていただいたときの先生の優しい笑顔が忘れられません。



絵本に残る先生の文字

  池田加津子(芦屋2期生)
 やさしい声、素敵な笑顔、心に響くことば。忘れません。先生が読んでくださった『ごろはちだいみょうじん』『すみれ島』忘れません。先生のことばは、宝物です。「故郷の森消えて君たちどうしているのか 困ったら私のところへおいで」(『きつねやぶのまんけはん』への直筆文字)御冥福をお祈りいたします。

りんごの木を植える
   井下陽子(芦屋1期生)
 昨日わたしは、講座の準備に外出しました。「おまえさんも最後までりんごの木を植え続けることやなあ」という先生の声がした気がして。先生は私の絵本観を180度変え、私は感動で号泣してしまいました。最近は遠くからそっと見ていた。先生は私の憧れの人でした。今日もカラ笛キコキコ回し、先生を想っています。

中川先生を偲んで
   大西徳子(芦屋6期生)
 先生からお教えを受けたものは、自分に対しての厳しさでした。絵本講師としての原点を作っていただきました。なるほどと実感いたしましたのは絵本講師を始めてからでした。深いお教えとお言葉を心に刻み込んで活動致します。本当にありがとうございました。ご冥福を心よりお祈り申しあげます。

一歩一歩足跡をたどって
   加藤美帆(芦屋3期生)
 ご逝去を悼み、衷心よりご冥福をお祈り申しあげます。今深い悲しみに包まれております。先生にお叱りを受けることも心に響くお話を伺うこともできなくなると思うと本当に本当に残念でなりません。絵本講師として歩む私たちの道に先生は大きな足跡を沢山残してくださいました。謹んで哀悼の意を申しあげます。

心に響くメッセージ
   岸本安代(芦屋4期生)
 開講式で手にした著書『絵本・わたしの旅立ち』には「絵本はるかな夢・はるかないのち」先生からのメッセージ。この言葉を心にとめ、絵本を届ける事を心がけています。先生には人としていかにあるべきか、多くの事を学ばせて頂きました。先生が読んでくださる絵本『すみれ島』、お声がお心が心に響いています。

中川先生ありがとう
   久賀弥生(芦屋6期生)
 先生が読んでくださった『すみれ島』が今もはっきりと思い出されます。先生が伝えてくださったことを私たち講師がたくさんの人の心に届くように語り伝え、やがて広がっていくことが先生の願いだと思っています。これからも先生のご遺志をたくさんの人に届けて行くために頑張ります。安らかにお休みください。

中川正文先生の旅立ちに
   後藤純子(芦屋4期生)
 自然災害が相次ぎ、人の世も乱れています。今こそ中川先生のお話が力をもっているときはない、と思ったときの知らせにさびしく、取り残されたような思いです。でも、中川先生のこと、きっと私たちのことを見守ってくださっているのでしょう。私も中川先生のことばを忘れず生きていきたいと思います。

出会いと別れ
   塩田曜子(事務局)
 中川先生のお話の中に「人は生きていく中で幾度と出会いと別れがある。出会い方より別れ方を大事にした方が良い」とありました。折に触れその言葉を思い出し自分を戒めています。失敗もしながらですが、これからも出会いに感謝し、積み重ねてゆきたいと思います。たくさんの素敵な言葉を有難うございました。

「仲良くなりすぎなさんなよ」
   大長咲子(芦屋1期生)
 「仲良いことはええことやけど、あんまり仲良くなりすぎなさんなよ」私たち絵本講師にむけて先生が投げかけてくださったたくさんのことばのなかで最も印象に残ったことばのひとつです。仲間をもつことの大切さ、しかし切磋琢磨しあうことの重要。厳しくもあたたかいことばが中川先生からいつも溢れていました。

絵本と共に成長していく
   武田美保(芦屋4期生)
 厳しさのなかに優しさがありいつも私たちを楽しませてくださるユーモラスな先生。講座の中で時折見せてくださる笑顔は私の心を温かくしてくれました。「共に絵本を読み、共に楽しむ。親子が同じ経験をし、共に成長していく」絵本を通して先生からのメッセージを一人でも多くの方に届けていきたいと思います。

初めてお便り致します
   内藤直子(芦屋5期生)
 先生、『絵本・わたしの旅立ち』の表紙を開けると先生に逢えます。厳しく、優しく温かく、心しなやかに世の中の動きに敏感でいらっしゃった先生。無垢でとてもチャーミングな先生の笑顔は、私の生き方の憧れです。先生の魂の言葉一つ一つを心にしっかりと生きてまいります。有り難うございました。合掌

無念……です
   藤井勇市(事務局)
 10月15日にお会いする予定でした。が、……無念です。先生に、『すみれ島』の語りの「免許」もいただくことができませんでした……残念です。「冥福など嘘っぱち!」、と言っておられた先生の横顔が懐かしく思い出されます。14日は終日、雨降りでした。雨は、私が降らせました。「このスカタン!」(先生の声)。合掌

大人としての生き方とは
   舛谷裕子(芦屋3期生)
 障がいを持つ子どもたちとの生活のなかで、大人としてどうあるべきなのかと模索しているときに先生のお話を伺いました。「高みに立ってものをいってはいけない。本は与えたり、下げたりするものではない」という言葉が心にしみいりました。それは、どの子にとってもたいせつなこと…心より感謝申しあげます。

ありがとうございました
   松本直美(九州理事)
 晩年の先生の言葉や生き様に触れさせて頂いて、多くのことを学ばせて頂きました。先生のように素敵に年齢を重ねることができるように、なりたいと思います。先生のお教えのほんの一部でも、つたないなりに多くの人に伝え続けていきたいと思います。ありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします。

いつまでも……
   村山明代(芦屋5期生)
 ゆっくりと優しさと寛容に満ちたお声で、でもきっぱりと譲らないご自身の正義をつらぬかれるそのお話に、いつも本当に気持ちよく聴き入っていました。いつまでもそうしてお話が伺えると安心していました…。出会えた奇跡に心から感謝、どうも ありがとうございました。先生のご冥福をお祈りいたします。

 

中川正文氏(なかがわ・まさふみ=児童文学者、京都女子大名誉教授、NPO法人「絵本で子育て」センター顧問)13日午後2時14分、肺炎のため京都府宇治市の病院で死去、90歳。奈良県出身。「ごろはちだいみょうじん」「きつねやぶのまんけはん」など多くの絵本を手掛け、1990年から2005年まで大阪府立国際児童文学館(09年閉館)の館長も務めた。


「絵本フォーラム」79号・2011.11.10



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