おすすめ絵本

「絵本フォーラム」第80号(2012.01.10)








『3びきのうさぎ』
 ゼルク・ゾルターン/作 レイク・カーロイ/絵 マンディ・ハシモト・レイナ/訳 文渓堂

 森の中で3びきのうさぎに出会ったかささぎは、うさぎが王様のようにえらそうにしてこれからきつねを捕まえて食べに行くというのを聞いて、きつねに熊より大きなうさぎがやってくると伝えます。そこで、きつねは逃げ出し、出会ったおおかみに話をもっと誇張して伝え、おおかみは熊に伝え、熊は狩人に伝え、みんなが逃げだします。繰り返しのあるユーモラスなことばと、ハンガリーの画家による個性豊かな動物の絵が楽しめます。


『チュンチエ 中国のおしょうがつ』 
ユイ・リーチョン/文 チュ・チョンリャン/絵 中由美子/訳 光村教育図書

 マオマオとかあさんは中国のお正月である春節にとうさんが出稼ぎから帰ってくるのを迎えます。とうさんはおみやげをくれ、散髪をして、マオマオと一緒にタンユェンというおだんごを作り、その中の一つに幸運のコインを入れました。春節の朝、マオマオはタンユェンの中にコインを発見して大喜び。けれども春節が過ぎるととうさんはまた、仕事に出かけてしまいました。家族の温かさがストーリーと絵から感じられる作品。









『ぺろぺろキャンディー』
ルクサナ・カーン/文 ソフィー・ブラッコール/絵 もりうちすみこ/訳 さ・え・ら書房

  初めて誕生会に呼ばれたルビーナが大喜びで家に帰ると、おかあさんが妹のサナも一緒に連れて行くようにと言います。ルビーナは誕生会のおみやげにもらったぺろぺろキャンディーをサナに食べられてしまい、学校でも居心地の悪い思いをしました。しばらくして、サナが誕生日会に呼ばれると、妹のマリヤムが一緒に行きたいと言いました。家と学校で異なる文化を生きざるを得ない子どもたちの葛藤が顔の表情から読み取れます。


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