おすすめ絵本

「絵本フォーラム」第81号(2012.03.10)








『おかあさんとわるいキツネ』 
イチンノロブ・ガンバートル/ぶん バーサンスレン・ボロルマー/え つだのりこ/やく 
福音館書店 

 モンゴルの北のタイガに住むお母さんが赤ちゃんを家の中に置いてトナカイの乳搾りに行くと、キツネが赤ちゃんを盗もうとします。キツネは2度失敗しますが、3度目には成功。お母さんは大きなトナカイに乗って必死で追いかけ、取り戻します。雪に囲まれた風景が美しく、人間や動物や木や布の模様などの描かれ方がデザイン的で、ユーモラスなストーリーと調和しています。


『ベンおじさんのふしぎなシャツ』 
シュザン・ボスハウベェルス/作 ルース・リプハーヘ/絵 久保谷洋/訳 朝日学生新聞社

 ヨーゼフがシャツのひよこを数え始めると、ひよこがシャツから飛び出しました。おじさんはひよこをシャツに戻して家に帰りましたが、黒いひよこが一羽だけ残っていました。ヨーゼフはそのひよこを飼ってもいいと言われました。色とりどりのひよこがシャツから飛び出す場面が楽しい絵本。









『ぶらぶらどうぶつえん』
井上洋介/えとぶん 小峰書店

 いろいろな子どもが動物園の中をめぐって、ゾウ、しまうま、さい、ふくろう、ごりら、くじゃく、しろくま、さる、ぞうがめ、きりん、わになどをじっと見つめます。文章は「さるのやまにあめがふる かさのないさるにあめがふる」のように、動物園の動物の様子を時に悲しみを含んだユーモアのあることばで表現しており、ペンと水彩で描いた動物の絵とともに動物たちを見ている子どもたちの思いを感じることができます。見返しのふくろうの絵も迫力満点です。


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