おすすめ絵本

「絵本フォーラム」第92号(2014.01.10)









『ヤッホーホイホー』 
スズキコージ/作 講談社

 雪がふりしきる中、サハリンのホラアナグマ、アリューシャンのホッキョクグマ、ワシフクロウ、ワタリガラス、エゾジカ、コロポックルなどアイヌの住む地域の生きとし生ける者たちが、ヤッホーホイホーと掛け声をかけ、エゾウサギやユキウサギは音楽を奏でて歌っています。アイヌ語が使われた詩のような文に、スズキコージの路上ライブペインティングの巨大絵が切り取られて作られたエネルギッシュな絵本。


『わたしのすてきなクリスマスツリー』 
ダーロフ・イプカー/作 やましたはるお/訳 BL出版

 もみの木のてっぺんに1つの星、ページをめくるとくまが2頭もみの木につかまっており、ページをめくるごとに3匹のボブキャット、4匹のやまあらし、5匹のあらいぐま、6羽のしろふくろう・・・12羽のアメリカこがらが並んでいます。そして、最後のページにはこれまでに出てきたすべての生き物がクリスマスツリーを飾ります。緑のツリーに魅力的な動物や鳥が色鮮やかにデザイン性を持って配置されており、指折り数えて待つクリスマスの楽しさが伝わってくる絵本です。









『ゆきのうえゆきのした』
ケイト・メスナー/文
クリストファー・サイラス・ニール/絵 
小梨直/訳 福音館書店

 赤い帽子をかぶった女の子がお父さんと一緒に森の中をスキーですべって散歩します。二人はアカリスやシカの足跡やウサギやキツネを見つけます。そして、お父さんが、雪の下で生活しているトガリネズミやカエルやビーバーやクロクマやマルハナバチの話をしてくれます。版画を使ったデザイン的な雪の景色とその下に眠る動物たちの様子が美しく、雪の世界にもたくさんの命が息づいていることがわかります。


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