2007年度第1回

「情報・共感・学び」 そしてまた はばたこう

 

 連日続いた猛暑が一段落した 8月18日、上野の東京文化会館にて2007年度の第一回「絵本講師の会」交流会が開催されました。

 森ゆり子理事長の挨拶に始まり、山中光江さん(関東地区理事)の挨拶では「はばたきの会」のネーミングのすばらしさを語られ、そこから私たちの使命を思い出させてもらいました。また少年院( 14〜19歳)へ読み聞かせに行った際、絵本を読み始めると程なく静まり返りみな集中して聴いていたとのこと。絵本の力を改めて実感されたとのお話には、会員の多数の方がボランティア活動等で読み聞かせ活動をされていることもあり、大きな頷きを感じられました。

 その後、各会員の自己紹介を行いました。半数が 3期生だったこともあり「絵本講師としての活動はまだできていない」という声が多々ありましたが、ほとんどの方が仕事を持っていたり、読み聞かせの活動をしていたりと様々な経験や活動の話を聞くことができました。昼食へと場所を移しても、その自己紹介をきっかけに、各テーブルで話が弾んでいたようでした。

 午後からは活動報告です。まずは芦屋 2期の岡部雅子さんから、転居前の住まいである兵庫県西宮市でのさまざまな活動と、そこに至った経過やきっかけをお話いただきました。子育てひろばや小児科、育児サークルなど、就園前のお子さんとの日常の行動範囲の中で講座の機会を探すという理にかなったやり方は、とても納得ができました。
また、岡部さんは常に『絵本講師セット』(名刺・リーフレット・絵本フォーラム・自前の講座案内等)という、いわば営業セットのようなものを持ち歩いており、そのおかげで突然の小さなチャンスも講座につなげてしまう熱心さとすばらしさにとても感心させられました。自分なりのセットの必要性を強く感じた方も多かったでしょう。絵本講師としての熱い想いが伝わってくる、こちらのやる気を喚起させてくれるお話でした。

 次に東京 3期の稲垣勇一さんの活動報告がありました。稲垣さんは長野県上田市で「NPO法人上田図書館倶楽部」に参画されており、そちら主催の「絵本 読み聞かせ人材養成講座」を6月から開催されているとのこと。今回はそこに至った経過や内容、『ぼうさまになったからす』(松谷みよ子/文、司修/絵、偕成社)を使ったミニ講座をしていただきました。
稲垣さんの強く訴えたいことの一つに「絵本の絵をしっかり読むことの大切さ」がありました。稲垣さんが読み込んだ『ぼうさまになったからす』では、さっと見ただけでは気がつかないような著者の心情が至るところに描き込まれており、みな大いに納得、感心していました。
絵本は絵の本であると改めて強く感じ、欠席されている方にも是非伝えたいというような声も上がりました。また、そのような稲垣さんの気持ちのこもったお話をきっかけに、母性についてや読み聞かせのあり方など、様々な質疑応答が活発に交わされました。それらの質問に他の会員の方からも意見が出たり、またそこから話題が発展していったり、会員の方々の絵本やご自身の活動への真剣な想いを感じました。また、20人弱という少人数のすばらしさも目の当たりにしました。
 その熱気も冷めやらぬまま、藤井代表からの連絡事項をはさみ、山中理事の引率の下、関東支部結成の話題も含め、まずは次回交流会を是非開催しようということになりました。
日程や内容等を話し合い、再び様々な意見が飛び交う活気あふれたまま終わりの時刻を迎えました。充実した時間を過ごしたことの満足感と、また明日から今まで以上にしっかりはばたいていこうという、前向きな気持ちをもらい、交流会というもののすばらしさを実感した一日でした。

(報告 第2期芦屋修了生 中村 利奈)



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