2008年度 第1回

桜花咲く・芦屋 4期生を迎え「はばたきの輪」広がる

 「♪春は名のみの風の寒さよ〜」 大西勝さん (芦屋 2期) によるハーモニカ演奏と『早春賦』の合唱、そして「ようこそはばたきの会へ!」という森ゆり子理事長、井下陽子副会長、大長咲子副会長の歓迎の言葉。

門出の季節にふさわしく、第 4期「絵本講師・養成講座」を修了したばかりの新しい仲間を迎えて、平成20年度第1回「はばたきの会」交流会が開催されました。

 今年度初めての交流会ということで、池田加津子さん (芦屋 2期) より会則の説明と、平成 20年度幹事の改選が提案され、拍手をもって無事承認となりました。そして恒例の自己紹介。

 毎回、昼食時にまでかかっていたこのプログラムですが今回はひとり1分間の制限時間を設け、その中でいかに最大限の自己アピールができるか、まさに絵本講師の腕のみせどころ?といったところでしょうか。
1〜3期生はお互いの活動報告に良い刺激を受け、初参加の4期生は先輩講師たちの報告に熱心に耳を傾け、決意を新たに絵本講師としての第一歩を踏み出しました。
 昼食をはさんで午後の部のスタートです。稲垣勇一さん (東京 3期) が、『ぼうさまになったからす』(松谷みよ子/文・司 修/絵・偕成社)のよみきかせと語りを披露してくださいました。

  稲垣さんは長野県上田市を拠点に、語りによって民話のすばらしさを伝える活動や、学校での読み聞かせと群読活動、「 NHKラジオ深夜便」で朗読をされるなど多方面で活躍されています。 照れて頭をかきながら語り始めた稲垣さん。その飾らない人柄と素朴なお国訛りとともに、長野の豊かな自然と、そこに生きる人たちの切ない言い伝えを届けてくださいました。
からすたちが弔いのために二度と海を渡ることのないよう、親として、そして絵本講師として子どもたちに平和の尊さを伝えていかなくてはと思わずにはいられませんでした。                                  
 続いて、高梨香寿子さん (芦屋 2期) が絵本講師として活動するうえでの基本的なルールと、資料の使い方、そしてそれらを活かした活動について話して下さいました。              

 自由に絵本講師活動をする一方で、 NPO法人「絵本で子育て」センターの一員としての自覚を持つことの大切さや、名刺、ロゴ入り便箋、封筒などの購入ツールの使用例を実際の体験談とともにわかりやすく説明して下さり、活動をどうスタートさせたらよいか悩んでいる方たちに心強いアドバイスとなったようでした。            

 また、第三種郵便物の『絵本フォーラム』の扱い方、講座申込み・報告書の連絡、写真データなどの送信方法など、基本事項の徹底をひとりひとりが意識していくことで、全国にひろがりつつある絵本講師の活動が円滑に行えるということを再認識しました。                          

 休憩をはさみ、舛谷裕子さん (芦屋 3期) によるミニ「絵本講座」の実演です。ご自身がお母さまにそうしてもらったように、3人のお子さんたちも自然に「絵本に育ててもらった」と語る舛谷さんはお子さんたちとの微笑ましいエピソードを交えながら、親子のお気に入りの絵本を3冊読んで下さいました。
そして子どもたちが「前向きに生きる強さ」と「正義」を持った人間になってほしい、また大切なことはすべて絵本が教えてくれていると語られました。
30分という短い時間でしたが、中身の濃い、温かな気持ちになる素敵な講座でした。

 これで予定のプログラムが全て終了し、その後1時間ほど歓談の時間をもちました。
自己紹介でご近所だとわかり親交を深める方や、午後の部の 3人の講師に質問や相談をする方、1〜3期生に具体的な活動の体験談を聞く方など思い思いに席を移して熱気のあるフリータイムになりました。     

 まだまだ話は尽きない中、最後に藤井勇市代表より事務局からのお知らせとして、 4月1日開講の姫路KCC「連続絵本講座全6回」(神戸新聞)と第5期「絵本講師・養成講座」(東京・福岡会場)の受講生募集の件、「絵本で子育て」センター企画の梅田俊作先生による<手作り絵本講習会>と<徳島アトリエツアー>の告知、そして、賛助会員の出資で「絵本で子育て」センターより中川正文先生の絵本を出版してはどうかという構想が発表されました。
出版というゴールまでには多くのハードルが予想されますが是非実現させたい夢の企画です。             

 「あなたの中の最良のものを、世に与えなさい。けり返されるかも知れません。でも、気にすることなく、最良のものを与え続けなさい」。
 ミニ絵本講座の中で舛谷さんがはなむけの言葉として贈って下さったマザーテレサの言葉の中の一節です。私たち絵本講師の会の名前の由来である「チョウの羽ばたき」。マザーテレサの言葉は、原点にかえって真摯に誠実に小さな羽ばたきを続けることの大切さを思い出させてくれました 。
「絵本講師」というチョウの数は確実に増えています。いつかみんなで大きな竜巻がおこせるよう、私も自分なりの小さな羽ばたきをつづけよう!と新たな決意を胸に、交流会会場を後にしました。芦屋川沿いの桜花は、八部咲きでした。

報告・ 濱本香織 (はまもと・かおり/芦屋 1期)


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