2011年度第２回「絵本講師の会」（はばたきの会）交流会が、6月12日（日）、東京の新宿区四谷の会場にて開催されました。

　「絵本講師・養成講座」東京会場第 7期は、3月26日に予定しておりました修了式を、東日本大震災の影響により開催できませんでした。今回の交流会では、多くの7期修了生が出席していましたので、森ゆり子理事長より、修了式を開催できなかった旨のお詫びと、今日はたっぷりと交流を図り、質問や意見交換をしてくださいというお話がありました。

　舛谷裕子副会長（芦屋 3期）の司会のもと、まずは、一人1分の持ち時間で自己紹介を行いました。被害の程度はいろいろですが、出席者の多くが東日本大震災を体験しており、その体験を通して絵本の力、読み聞かせの力を改めて認識したというお話をされる方や、日々の職の中で学んだことを生かしているという方、絵本講師となったことで、あらたな夢や目標ができたと語られる方、なかなか一歩を踏み出せていないという方など、それぞれに近況報告がなされました。

　次に、大郷陽子（東京 5期）さんより、はばたきの会会則の説明があり、読みあげられた事項について確認をしていきました。

　そして、岡部雅子（芦屋２期）さんが、「絵本講師・最初の一歩」と題し、養成講座修了後から現在までの約 5年間の活動について時系列でお話くださいました。自分が絵本講師であるということを知ってもらうために、プロフィール、リーフレット、絵本フォーラムの3点セットを常にカバンにいれて持ち歩き、機会があればそれを差し上げるという地道な広報活動をされていたそうです。
利用していた支援センターや、子どもの幼稚園、かかりつけの小児科、など、子育てに携わる機関や人に出会ったときには、ちょっと勇気を出してアプローチされていたそうです。活動のチャンスを得られたら、終了後には、必ずお礼をするという心遣いの大切さなど、一つ一つの事例に対し、具体的にお話をしてくださいました。常にアンテナをはり、機会を見逃さず、勇気を出して、誠実に対応するという岡部さんの姿勢に感心し、見習うべきところが多くありました。

　午後は、福島春夫（東京６期）さんより日々の活動についてのお話がありました。新潟にお住まいの福島さんですが、地元での絵本の活動のときは、『 ehon messenger　ふくちゃん』の名で親しまれ、市内保育園や子育て支援センター、書店などで、絵本の読み聞かせをされているそうです。
会場と一体感のある雰囲気で絵本を楽しみたいという思いで、読み聞かせではなく「絵本らいぶ」という表現を使い、「こどもも大人も楽しめる絵本の世界」をキャッチコピーに、2005年からはじめ、現在までに300回を超えているとのことです。
ご自身のブログ（http://blog.livedoor.jp/fukuchan117/）には、目標の１０００回にむけて、絵本らいぶで読んだ絵本リストや活動状況がアップされています。「絵本の世界は女性社会ですよね」との言葉に会場も笑いが。確かにこの日も男性はおひとりでしたが、男性ならでは・福島さんならではの活動スタイルに、みなさん新鮮さを感じられたのではないでしょうか。
　 2009年からの養成講座での学びもあり、絵本は、おうちで大人が子どもに読んであげるものであり、子育てに絵本がなぜ必要なのかということについて絵本講師として講演会の依頼も増えてきているということでした。

1時間の福島さんの講演のあとは、司会の舛谷さんより支部設立・活動について説明がありました。2年前に東京支部が発足しましたが、支部にしては地域が広すぎて、うまく機能できなかったことから、このたび解消し、もっと地域を限定して支部設立を考えてみませんか？というご提案がありました。

　舛谷さんは、西宮で『絵がお』という支部の支部長としてもご活躍です。個人でなく仲間と活動することで活動が拡大し、学びも深くなるというお話に、東京会場修了生も触発され、早速会員名簿をもとに、６つの地域に分け、グループワークを行いました。

　支部設立に向けて動き出そうと話が発展した地域や、まずは勉強会からスタートしようという地域など、一人では踏み出すきっかけを作れずにいた一歩も、仲間とならば動き出せるかも？という期待を持つことができたのではないでしょうか。
もしかしたら、東日本でも、近々支部設立の報告がされるかもしれません。

　最後に、小和野啓子（芦屋 5期）さんより、閉会のあいさつがありました。震災後まだ不安が続いていますが、絵本講師としてできるなにかを見つけていきたいということ、そして、東京での交流会がようやく開催できた喜びと、今後のあらたな展開を期待し、互いの健康と活躍を祈り、再会を誓いあいました。（きた・もとこ）

報告者：北　素子（きた・もとこ）