< 2013年度 第1回「絵本講師の会」交流会報告書(2013.04.14)

 4月14日、毎年散り遅れた桜がまだ残っているこの時期に開催される、新年度第一回目の「はばたきの会交流会」。春の訪れが早かった今年は、すっかり花を落としてしまった桜の木の下を通り、会場の芦屋市民ホールに到着しました。
10時、司会の原知恵さん(芦屋7期)の進行で、参加者の緊張感の漂う中、開会となりました。
まず、森理事長よりごあいさつがありました。このたび「絵本講師・養成講座」第10期記念事業のひとつである松居直先生の講演録『こども・えほん・おとな』が完成したことが報告されました。松居先生から「こんなステキな本ができたので、僕も頑張って売ります」とのお言葉を頂戴したとのお話に、会員のみなさんから思わず笑顔があふれました。
また、むのたけじ先生の講演が決定し、会員の聴講が可能であるとの嬉しい報告もありました。5月26日には東京交流会が開催されます。芦屋会場で修了された方も、機会があれば、ぜひ東京の交流会に参加していただきたいとのことでした。
第10期は、芦屋会場も東京会場もまだ定員に余裕があるので、今後も受講の受付を継続するとのことです。どうぞ、皆様もたくさんの方にご紹介いただけたらと思います。
次に副会長の池田加津子さん(芦屋2期)より会則説明、今年度幹事候補者の紹介と承認がありました。
その後、支部の紹介へと移りました。
西宮支部「絵がお」より舛谷裕子さん(芦屋3期)、明石支部「あい・あい」より長尾尚子さん(芦屋5期)、姫路支部「たんぽぽ」より中村史さん(芦屋6期)、南大阪支部「いっぽ」より 松本真裕美さん(芦屋4期)からそれぞれの支部の活動報告をしていただきました。どの支部の報告にも共通して言えることは“三人寄れば文殊の知恵”ではありませんが、個人としての絵本講師の活動も大切ではあるけれど、それとは又違う、仲間をもって、お互いに高めあえる幸せを皆さんが感じていらっしゃるということでした。
続いて、司会の原さんから「絵本講師のみなさんにこんなことを言うのは失礼ですが…時間を守るのも絵本講師として大切なことです」との前置きのもと、1分間の自己紹介タイムが始まりました。1分を超えると、僭越ながらわたくし大長が狸型の土鈴(中川先生の形見)をチリンチリンと鳴らすことになっていましたが、ほぼ手元を動かすことなく、みなさんそれぞれに「私の1分間」を表現してくださいました。さすがです。
 次に広報活動について、副会長の舛谷裕子さんより説明がありました。ホームページをプリントしての説明材料や、名刺の活用法。また、講座開催時の事務局への報告の仕方など、今から絵本講師としての一歩を踏み出そうとしている方はもちろん、絵本講師として既に活動している方にとっても、再度見直す良い機会となりました。

予定の11時半に午前の部を終え、1時間ほど食事をとりながらの休憩は楽しい歓談の時間となりました。


午後からは、服部貴子さん(芦屋7期)と辻香乃さん(芦屋9期)による絵本講座です。
まずは服部さんから。服部さんは学生のころ音楽を専攻し音楽教室の講師をされていた経験から「絵本といっしょに音楽を」という演題で講座を展開されました。人形を使って、わらべ歌をうたったり、手遊びしたり、また、日本の唱歌を歌ったりと受講者を巻き込んだ参加型の講座は、こころを柔らかくときほぐしてくれるような楽しい時間でした。声を出すこと、語りかけること、語りかけられることの魅力をあらためて再認識できました。

また、辻さんの講座は、長い間子育て支援に携わってこられた辻さんの経験に基づき、子どもの、そして子どもそばにいる大人の心に寄り添った素敵な講座でした。なかには辻さんが実際に体験された、子どもの生育過程における衝撃的な話もありましたが、辻さんの静かで真摯な口調に、問題の重さと私たち絵本講師が子供とメディアとの関係を訴え続けていくことの重要性を改めて思い知らされたような気がしました。
お二人の講座はまったく違ったスタイルで一見、内容も全く違うように思えるのですが、どちらの講座にも、私たち絵本講師が伝えていきたいこと、また大切にしていることがぎっしりと詰まった素晴らしいものでした。
続いて、藤井勇市養成講座専任講師より、著作権についてのお話をしていただきました。
通常、私たちが行っているような講座で、絵本を読み聞かせしたり、その絵本についてお話したりすることは、出版社や著者の許諾をとる必要がないということです。しかし、例えば、絵本を複製したり、また拡大、縮小してみたりして使用することは著作権に抵触します。今回、藤井専任講師には、「絵本講師・養成講座」のテキストを作成された時に出版社や作者への許諾をとったときのエピソードを交えながら具体的なお話をしていただき、普段、絵本を用いて「絵本講座」を開催している私たちにとって、絵本の取り扱いについては慎重にならないといけないということを痛感しました。情報媒体が発達した現代では、だれもが情報の発信者になれます。しかし、それゆえに、だれもが簡単に著作権の侵害を起こしかねません。もしも、みなさんが講座を開催したり、ホームページやブログなどで情報発信する際に、疑問が生じたときには、どうぞ事務局までご相談ください。

次は6〜8名が7つのグループに分かれてのグループワークです。1時間半ほどの時間が、あっという間に過ぎてしまうほど、それぞれが、今日の交流会の感想を話し合ったり、今の自分の活動を報告したり、絵本講師としての悩みを打ち明けたり、講座を開催して感じたことを話し合ったりと、充実した時間を過ごしました。
最後に、副会長の池田加津子さんより閉会の言葉をいただき、別れを惜しみつつ閉会となりました。(だいちょう・さきこ)




                     

報告・大長 咲子(芦屋1期)



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