< 2013年度 第1回「絵本講師の会」東京会場交流会報告書 ( 2013/05/26)

日時:2013年5月26日(日) 10:00〜16:00
場所:ラボ教育センター(東京都西新宿三井ビル13F)
司会:澤 美代子さん(東京8期)

●あいさつ  森ゆり子理事長
前日に第10期の「絵本講師・養成講座」があり、その際の松居直先生のお話。来年も体調が良ければ講演してくださるとのこと。2回目以降からでも「絵本講師・養成講座」は受講可能なので、ブログ等での発信協力をお願いします。

●会則説明  北素子さん(東京2期)
絵本講師の会(はばたきの会)の規約が読み上げられました。

●支部紹介
◎世田谷支部  川口結実さん(東京7期)
区の助成金での活動を今後も継続して行うため活動を続ける。ジェリー・マーティンさんを講師に招いた 講座の報告もあり、大変好評だったそうです。
◎神奈川支部  内田早苗さん(東京7期)
湘南モールフィルでの月1回の講座の内容、これまでの反省点についての報告。
メーリングリスト活用も継続して行いたいとの話。

●自己紹介
みなさんそれぞれの地域でされている読み聞かせ活動等の報告を含めての自己紹介です。お年寄りの方へ向けた活動。メディア指導員やおもちゃコンサルタントをされている方のお話など、とても興味深かったです。

●広報活動  市川洋美さん(東京8期)
自ら人見知りだとおっしゃる市川さん。広報活動をご自身の友人に行うことからはじめられたそうです。絵本の講座についての説明に、手作りチラシを作っておられます。そのチラシに絵本フォーラムと森ゆり子理事長が書かれた「現在の子ども事情と絵本講師の役目」をセットにしてお渡ししているとのこと。参考になるお話でした。

●絵本講座  大久保広子さん(東京5期)

「心から心へ 手から手へ」〜さぁ、なにをお届けしましょうか〜 というテーマでの講座。読みきかせのボランティアさんに向けての講座です。講座の合間に「講座のポイント」を大久保さんが分かりやすく説明してくださいました。
受講生への問いかけ「なぜボランティアをしているのか」うけるためだけに読むのではないということをボランティアをしてくれる人に分かりやすくお話してくださいました。
受講生全員に白い紙を配り、絵を描いてもらう。それを周りの人と見比べ、同じ絵を描く人はいない「想像」のおもしろさを感じてもらいます。
ももたろうのお話のなかで、川からももが流れてくる場面を、「川の流れは、どちらからどちらへ」との問いに目をつぶって挙手をうながす。など受講生が参加する形で「想像」について考えます。読み方についても具体的に説明がありました。とくに、読み手の髪をかき上げる等のくせで、聞き手の集中がそれてしまう話が印象的でした。
大久保さんは書店で採用や人事に関わるお仕事をされています。絵本講師になる前は、主に読む技術に重点を置いて教育されていたそうです。絵本講師になり、考えが改まったと話されていました。講座の中で紹介された絵本も分かりやすく、講座へ向けた選書の重要性を考えさせられました。

●絵本講座  中田朋子さん(東京7期)
「絵本で笑顔の子育てをしませんか?」というテーマでの講座。
中田さんは、現在小学校4年生の女の子のお母さん。お子さんが8ヶ月の時から読み聞かせを始められたそうです。泣いてばかりの赤ちゃんとの毎日で育児がつらかった中田さんが、絵本を読むことを通してお子さんと心を通わしてきたことの様々な実際のお話をしてくださいました。1歳半でおたまを傘にして遊ぶ子どもの姿を見て、一緒に読んだ絵本の場面を親子で共有でき、心の通じ合いを感じられたこと。『さっちゃんのまほうのて』を読んであげた時の心の動きを表現する子どもの行動。中田さんのお話からは、子どもの気持ちをキャッチすることこそが親の務めだということが伝わります。質問をしない、絵の説明はしないなど、読みきかせの注意点も中田さんの話にそって聞けば、なるほどとうなずけます。絵本によって育てられる想像力とは、その場にないものを思い浮かべることで、人の考え、他人の気持ちを想像することにつながっていくとの話も印象に残りました。
自身の子育ての話に加え、ユニセフ調査で明らかになった日本の子どもの自尊感情の低さにも触れ、構ってほしい子どもの多さを、実際にあった話をまじえて伝えてくださいました。絵本を読むことで子どもに感情を伝えていく。幼い時に親がしっかりと自尊感情を高めていくことの大切さも分かりました。中田さんの講座は「絵本」だけの話ではなく「子育て」をどうしていくか? そこに「絵本」がどう関わるかが聞いている者に伝わる感動的な講座でした。

●著作権について
藤井勇市先生から著作権についてのお話がありました。
「絵本で子育て」センターの絵本講師の行う絵本講座で著作権をどう考え、各講師どう理解すればよいのか、お話してくださいました。

●グループワーク
5グループに分かれ、それぞれの席で情報交換や近況報告、悩み相談? などがありました。私のグループでは高山紀子さん(東京9期)からご自身の著書の紹介がありました。

●最後のあいさつ
福島春夫さん(東京6期)より、新潟での上甲知子さん(東京8期)のされた絵本講座のお話がありました。「ふくちゃん」の明るい声で閉会のあいさつとなりました。


報告・内田 早苗(東京7期)



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