< 2013年度 第2回「絵本講師の会」東京会場交流会報告書 ( 2014/01/26)

 楽しみで楽しみで前夜は眠れませんでした。遠足の前日の子どものような人は私だけではなかったかもしれません。

2013年度第2回絵本講師の会(東京会場)がジェリー・マーティンさん(東京8期)の司会で開催されました。関東はもとより、山形、長野、石川、宮崎、なんと沖縄など、全国各地から絵本講師が集っての交流会。

恒例の1分間自己紹介も楽しみなのです。現在、どんな活動をされているか、実際に講座を開催し、どんなふうに参加者を募っているのか、その企画は誰を対象としているのか、どんな課題を抱えているか、など、1分間の近況報告の中にも多くの気づきと学びがありました。中でも、ラジオDJをされている澤美代子さんの流れるようなスピーチとお話しの最後にもう一度「澤美代子でした」と名前を印象付けること、これからの自分の講座に取り入れていこうと思いました。

午前の部、中村利奈さん(芦屋2期)の親子同伴の絵本講座の実演も楽しみにしていました。託児がない場合の絵本講座の悩みは、保護者向けのお話しをしているときに子どもが飽きて、騒ぎ出してしまうことです。中村さんは、講座を始める前に「子どもは無理やりじっと座らせなくていい、危険のないように気をつけていて」と伝えるということです。最初に、それを伝えることで保護者もリラックスして講座を聞けるのではないかと思いました。導入ではぬいぐるみを使ったお話で子どもをひきつけること、あえて大型絵本は使わず、「見えなかったら近くに来てください」と距離感を縮めること、言葉の少ない絵本を読むと、保護者も一緒に口ずさんでくれること、『くだもの』(平山和子/作・絵 福音館書店)を読んで子どもが食べにくる、その姿を保護者に見てもらうこと、ざわざわし始めたら、「あぶくたった」や「うまはとしとし」などのわらべうたで親子で遊んでもらうこと、など具体的でとても参考になりました。









支部活動報告では、今後、支部を超えての活動が期待できそうな流れや、新しく尾花沢支部が発足し、積極的、情熱的に活動されているようすが発表されました。

昼食タイムは、おしゃべりに忙しく、あっという間でした。

午後からは、水谷悦子さん(東京9期)による高齢者対象への読み聞かせの実演でした。シフォンスカーフとカプラという薄くて軽い木の板が参加者に配られました。カプラは拍子木のような使い方ができ、参加者一同、水谷さんの歌うわらべうたに合わせて木の板をたたいて音頭を取り、一気に一体感が生まれました。3本の指を使ってシフォンスカーフをつまみ、テーブルに立たせるように「ぼうず、ぼうず」とわらべうたを歌いました。「3本の指が使えることは脳の働きに重要なことなんですよ、反対の指でもやってみましょう」と、わらべうた遊びをしながら、機能訓練のような要素もあるのかなと思いました。麻痺のある方に考慮して、片手だけでできるスカーフを使った遊びも教えていただきました。多くの場数を踏まれ、多くの引き出しを有し、その場の状況をみながら臨機応変に柔軟に、いかに高齢の方に楽しんでいただけるかを考えて活動されている水谷さんの実演は圧巻でした。

藤井先生のお話しの中で特に感銘を受けたのは、「絵本を読むことは、全人格が出る」という言葉です。それはつまり「自分はどう生きてきたのか、今なにを考えているのか、これからどうしていきたいのか」ということなのです。大いに共感しました。
やはり、実際にお会いして同じ時間と場所を共有し、語り合うのは、本で読んだりネットでつながったりするよりも、もっともっと大きな力を持っていると実感しました。

いろいろとご準備、ご配慮いただいた事務局の皆さま、ありがとうございました。当日、お会いできなかった皆さま、またぜひお会いしましよう、語り合いましょう。



報告・上甲 知子(東京8期)



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