はばたきの会交流会


<2015年度・第1回絵本講師の会 東京交流会報告> 
(2015/07/05・東京八重洲ホール)


2015年度 第1回「絵本講師の会 (はばたきの会)東京交流会」が7月5日(日)、東京八重洲ホールで開かれました。

 当日は朝から梅雨空が拡がり小雨が降る中、この日を楽しみにしていた参加者28名が集まりました午後の司会 中田朋子午前の司会 ジェリー・マーティン。とても和やかな雰囲気のなか始まった交流会。今回の司会は中田朋子さん(東京7期)とジェリー・マーティンさん(東京8期)のお二人が担当されました。     

 最初に、森ゆり子理事長がにこやかに檀上に登場され挨拶をされました。言論の自由について話されました。そして、絵本講師としてお話をさせていただく立場にある私たちは、日ごろからいろいろ規約説明 舛谷裕子あいさつ 森ゆり子な人の考えをしっかり聞いたうえで自分の考えを持つことが大切ですと言われました。一つの事柄でも多面があり様々な意見はあるけれど「今はこれが私の意見」というものをしっかり持つことが大切だと、以前教えて下さった藤井勇市顧問の言葉も思い出しました。藤井顧問は今回欠席とのことで、参加者の皆さん残念そうでした。次回の交流会でお話を伺えるのを楽しみにしております。

 続いて、舛谷裕子副会長による会則説明・参加者による自己紹介・そして各支部の活動報告が行なわれました。

 尾花沢支部の鈴木哲子さん(東京2期)は「絵本の里」で知られる北海道剣淵町を舞台に人の優し支部紹介 内田早苗支部紹介 鈴木哲子さ、親子の絆を描いた映画「じんじん」をご紹介されました。実際その町のお菓子屋さんのご夫妻が昭和43年に我が子を寝かしつけるためにお作りになったという絵本『くまさんのおはなし』をお借りしているとのことで持ってきてくださいました。お父さんとお母さんのたくさんの愛情が詰まっている貴重な手作り絵本を見せていただきました。 

 そして、神奈川支部の内田早苗さん(東京7期)、足立さいたま支部ジェリー・マーティンさん支部設立の呼びかけ 安井広子支部紹介 田中潤東京8期)、世田谷支部の田中潤さん(東京7期)、支部絵がおの舛谷裕子さん(芦屋3期)から支部の活動や今後の予定など報告していただきました。あらたに千葉県支部が近々発足予定との報告が安井広子さん(東京10期)よりありました。

 いよいよ 午前の部の「絵本講座の実演」です。講師は上甲知子さん(東京8期)。心を育てる絵本講座「子育てに絵本の読み聞かせを取り入れてみませんか?」と題してこれから絵本で子育てをしたいと思っている人を対象にした講座をしていただきました。 

 講座の前は,ワクワク感と緊張が会場を包みます。講師の上甲さんは、いきなり「生麦 生米 生講座実演 上甲知子卵……」とあのおなじみの早口言葉を絵本を見ながらしゃべります。そして「みなさんもどうぞ!」と促され、参加者も声を出し会場はいっぺんに笑顔とともに和やかムードに包まれました。『生麦 生米 生卵』 (長谷川義史/作、齋藤孝/編、ほるぷ出版)」の絵本のページをめくりながら、早口言葉をみんなで楽しみました。導入部分でしっかり参加者の心をつかみ 自己紹介に入ります。

 現在、高2・中1・小2の三人のお母さんであることなど、人となりがわかる自己紹介がありました。上甲さんが講座で最も伝えたいこと。それは絵本で子育ての大事なポイントは2つだと言われます。 

 1つは、「はい よろこんで!」。例えば、子どもに「もう一回よんで〜」と言われたら「はい よろこんで!」ということ。会場には上甲さんの明るくすばらしく元気な「はい よろこんで!!」が響きわたります。 

 2つ目は、「絵本を読むわたしがすばらしい。絵本がエライんじゃない」ということ。
どんな絵本も並んでいるだけではただの物。子どもと、いまここを共有する。子どもと真剣に向き合うために絵本は最適であること。新生児から7歳まで毎日絵本を20分読んだとしたら35日。一日に5分だと9日になる計算だそうです。子どもに絵本を読んであげる時間はそんなにないわけです。子どもの子育ては、絶対外注できない。こころ育てには絶対絵本です!と溢れる思いをパワフルに熱く手作りフリップオリジナルさし棒を使って、時に参加者のそばに駈け寄りインタビューしながら……と楽しいものでした。

 そして、お子さんが小さい頃子育てに奮闘されていた日々のお話を静かに語られました。苦しい時、子どもたちと絵本で子育てできた自分を認めてあげる。絵本を読む私がすばらしい〜と自己肯定すること。自分を信じることの大切さを語られました。参加者は皆 お話に聞き入っており胸が熱くなりました。お子さんに読んであげた絵本は必ず手帳に書き留めておられるそうです。最後に『今日』(伊藤比呂美/訳、下田昌克/画、福音館書店)をしっとり読んでくださいました。あとがきにとても大事なこと(呪文)が書いてありますよ〜と言われ、ずぼら・がさつ・ぐうたら、この呪文を唱えて、「これですね」と笑いあり涙ありの心に響く講演でした。

 お昼休みをはさんで、午後からは、舛谷裕子副会長より今回11期生の新しい方も参加されているので絵本講座を開くまでの具体的なアドバイスをいただきました。名刺の扱い方、身だしなみ、言葉の使い方、事前準備の大切さ、講座をする場合の手続き報告の仕方などお話があり、心に寄りそう誠実な自分らしい講座をしてほしいと話されました。絵本講座の第一歩をこれから踏み出す人も、歩みだしたばかりの人も、ベテランの人も、今一度確認できるよい機会となりました。

 さて、午後の部は熊懐賀代さん(芦屋4期)による絵本講座の実演です。「絵本で伝えるぬくもりの講座実演 熊懐賀代ある子育て」と題して、保育園に通われているお子さんをお持ちのお父さんお母さんお子さんを対象の講座をしていただきました。保育士であり三人のお母さんである熊懐さんは、優しい口調と笑顔が印象的でゆったりほんわかとした心地よい講座でした。ご自身の子育てや保育士さんならではのお話も交えながら『おかあしゃん。はぁい。』(くすのきしげのり/さく、岡田千晶/え、佼成出版社)、『まほうのコップ』(藤田千枝/原案 川島敏生/ 写真 長谷川摂子/文 福音館書店)ほかたくさんの絵本をご紹介しながら、五感をくすぐる楽しい子育てを! 絵本は絵の贈り物! 絵本は声の贈り物! 静かな環境の大切さなどを伝えられました。

 保育士さんならではの引き出しもたくさんお持ちで、手遊びやわらべ歌を途中はさみ、講座にメリハリがつきます。ざわざわしていた子どもたちも一瞬にして静かになり、とりこになること間違いなしです。今回参加者の皆さんも童心に戻り、わらべ歌や手遊びを楽しみました。熊懐さんの優しい声とわらべ歌にゆすぶってもらう心地よさを感じるひとときでした。絵本の見せ方も参考になりました。例えば『あかいふうせん』グラフィックアートの場合、文字はなく絵を見せていくわけですが、その時の包み込むような笑顔、ページをめくる間の取り方、絵だけでお話の世界に惹きこまれていきました。

 そして、最後に「だれしも我が子にはすごく怒ってしまうことがあります」「完璧なママじゃなくていい。あなたにいてほしい」。このことが一番言いたいことです、と優しく締めくくられました。ぬくもりのある 心温まる講座でした。

 続いて4つのグループに分かれてのグループワーク。
各グループともに様々な話題で盛り上がりました。私のグループは子どもに携わるお仕事をお持ちの交流会グループワーク方が多く、それぞれの立場からのお話は大変興味深いものでした。  

、お母さんの存在ってどういうもの? とか、昔話や童謡やわらべ歌を伝えていくことの大切さについて話題になったり、15冊の「桃太郎の絵本」の比較を研究している方もおられ、もっとお話を聞きたいくらいでした。 グループワークの時間もあっという間に過ぎ 各グループともに交流を深め合ったようでした。

 閉会の挨拶は、福島はるおさん(東京6期)。絵本講師の修了生は全国で1300人、はばたきの会の会員はそのうち340人。事務局や先輩たちに尋ねて講座をしていきましょう!と志気を高めるご挨拶をいただき、交流会を終了しました。

たくさんの元気と刺激をいただくことができた、充実した時間となりました。(なかと・ようこ)

(報告・中戸 陽子・東京10期)報告・中戸 陽子・東京10期


 

交流会グループワーク

交流会グループワーク風景


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