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朝日新聞
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2015年04月05日(日)
ぐりとぐら 愛され半世紀
11日から、伊丹で原画展
子どもの好み 満載
作品の魅力「絵本で子育て」センターに聞く
「ぐりとぐら」の魅力はどこにあるのだろう。絵本講師の養成などに取り組む芦屋市のNPO法人「絵本で子育て」センターを訪ねた。
理事長の森ゆり子さん(62)は「(カステラを)作る、食べる、みんなで分け合う。子どもたちの好きな行為が、そのままテーマになっているのが人気の秘密」とみる。理事の池田加津子さん(63)の長女も、幼いころ「ぐりとぐら」を読むと、クッキー生地をこねたがった。「料理を作りたいという子どもの意欲をくすぐるみたい」
大長咲子さん(43)は「嗅覚が刺激される絵本」という。幼い頃、姉と繰り返し読み、ホットケーキの味、香りと共に記憶した。大人になって、絵本を開いた時、香りがよみがえってきたという。
原知恵さん(36)はクリスマスのたびに、サンタクロースが登場する「ぐりとぐらのおきゃくさま」を思い出す。「帽子を脱いだサンタの髪形や、白い下着の印象が強烈でした」
森さんは「絵本の冒頭に出てくる『ぼくらのなまえはぐりとぐら』を歌う節回しは、家庭ごとに違う。そこにも読み聞かせのだいご味があり、広く長く愛されているのでしょう」と話す。