●●はじめに●●
NPO法人「絵本で子育て」センター、及びほるぷフォーラムでは、2004年より「絵本講師・養成講座」をスタートさせております。
これは、「子育てをするにあたり、いかに絵本の読み聞かせが必要かを学び、それを語り伝えることができる人材」を育成するための講座です。受講者はここで、絵本と子育てに関する知識を深め、実際に自分で絵本講座や講演を開くための実践的なノウハウを学ぶことになります。
こうした絵本における草の根活動(幅広い意味での啓蒙活動)を、自発的に行ってみたいと考える人々が静かに増えています。これは、少子化、核家族化、メディアの発達などに伴い、社会がいびつとも言える変化を起こしているなか、現代では「子育て」という行為自体が大変むずかしくなっているためです。その一方、子育てに際して、絵本の読み聞かせが自分の助けとなり、家族をつなぎ、人格形成にも有意義であったという原体験を有する人々もまた、数多く存在しています。このような人々には、こうした知識が充分にあり、現に子育てに悩んでいる人々にそれを伝え、役立ててほしいと心から願っています。しかしながら、それを具体的に伝えるすべや、技能を持っていないのが現状です。
昨今、ようやく育児における絵本の必要性が広く認知されつつあり、読み聞かせの活動に取り組む地域のサークルや、集まりが増えてきています。しかし、こうした現場からも、「そもそもなぜ絵本が必要とされるのか? その本来的な意義は何か?」、「絵本と子育ての関係性について、もっと体系的に学び伝えたい」という声が上がっています。
これらの要請に応える目的で、「絵本講師・養成講座」が開講、運営されています。
●●絵本講座の社会的意義について●●
「絵本講師・養成講座」は、単に一般的なカルチャースクールのように、ある学問や技術を習得し、それで終わるというものではありません。そもそも、この絵本講座で学ぼうとする最も深い動機は、受講者自身が生活しておられる地域や、身の回りの小さなコミュニティへの「自ら得た知識・技能の還元」にあります。したがって、課程を修了した後も、受講者は本来の動機である「社会的還元」をし、自己実現をするための方法をさらに追求されるであろうと予想しております。
したがって、NPO法人「絵本で子育て」センターでは、本課程修了後も人材育成を継続して行うべく、希望者を「絵本講座講師」として会員登録していただき、受講後も会員による絵本活動への支援を行いたいと考えています。
受講後も「絵本講師」としての知識・技能をより深めた各地の会員によって、絵本や子育てに関する社会的啓蒙活動が、より広く活発に行われていくことが私共の願いであります。全国の各地域で行われるこの静かな文化の継承運動は、子育ての当事者や教育者からも、必ずや深い理解をもって迎えられることと信じております。
●●わたしたちも推薦します●●
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