リレー

素直な気持ちで
(兵庫・関宮町役場教育委員会事務局社会教係・鉈橋 典子)


 町の子育て支援の一環として子育て中の親子が集う広場の開設を担当しています。子どもの心の育ちについて乳幼児期の過ごし方や家庭のあり方が問われる昨今、母親のわが子の将来を危惧する言葉を耳にすると心が痛みます。また、あるお母さんは「周りの人に子どもの躾ができていないと思われる。子どものすることは私への評価だと感じる。」とポロリとこぼされました。こんな思いを経験された方も少なくはないでしょう。
 広場は季節の行事や遠足等の活動を通して仲間作りを進めると同時に、こうした弱音が言える場でもあります。
 子どもは可愛いけれど、育てるのは大変なことと感じませんか。色々な思いを持ち続けながら子育ては進みます。例えば、昨日までの接し方が子どもに通用しない時がありますが、子どもの成長の証として受け止めてはどうでしょうか。子育てで躓いて、転んだらその時に考えればいい。それが辛いのなら辛いと言って甘えたらいい。嬉しい時には笑えばいい。大人だからと格好つけたりしなくていい。子どもはよく見ていますよ。誤魔化しのないお母さんやお父さんの姿が何よりの心の栄養となり、子どもの笑顔や喜ぶ姿を導き出すのです。大人になると素直に表現し辛くなりますので、その点は努力を惜しまないでください。
 あなたが子どもに何かを望むのではなく、子どもがあなたに何かを望み、それを叶えられることに喜べる親でいられたらステキですね。最近は子育ての交流の場が増えていますので、育児に行き詰まってからではなく、日頃から人と交わることを心がけ、私はこう思うのだけど・・と話せる仲間を見つけに出掛けてみませんか。楽しさが広がると思います。
絵本フォーラム25号(2002年11.10)より

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