『東京ガラパゴス』 (講談社) |
テレビやビデオなどの映像は、とりわけ幼い子どもたちにとってはテンポが速すぎて、ゆっくり心で感じる間もないのかもしれませんね。絵本だと、時間の流れは子どもに合わせられるでしょう。前のページを再確認したり、お母さんと一緒に納得がいくまで同じ場面をじっくり見たりすることもできるのです。それは子どもたちの心に、テレビやビデオでは決して味わえないような強い体験として、深く刻まれていくことでしょう。
人が機械や物を使いこなすのです。それらに振り回されるなら、そんなものは便利なようで不便なだけ。
『東京ガラパゴス』(千世まゆ子作、吉田純絵/講談社)を読むと、機械や物などに振り回されていた自分に気づくかも。
母親の転勤で、東京から小笠原に転校することになってしまった5年生の男の子のカルチャーショック。同じ東京都内のつもりが、「大阪や九州よりも遠い、はるか千キロも海のかなたに東京都の村があることを、翔は出発寸前まで知らなかった」まるで島流しにあったような気分になったのだが…。夏休みに親子で読みたい楽しい本の一つです。 |