『はなをくんくん』 (福音館書店) |
春の訪れに心躍らせるのは人間だけではありません。動物たちも暖かな春を心待ちにしているでしょうね。『はなをくんくん』(ルース・クラウス/ぶん、マーク・シーモント/え、きじまはじめ/やく、福音館書店)は、そんな春の気配を感じさせてくれるすてきな絵本です。雪の積もる冬の森に眠る、のねずみ、くま、かたつむり、りすにやまねずみたちが何かのにおいをかぎつけます。はなをくんくんさせながら集まってきて、小さな黄色い花を見つけて喜び、踊りだします。
冬の寒さを耐え抜いたからこそ、春という暖かな響きに心を躍らせてしまうのかもしれません。五感をフルに使って、あなたの近くにある春を見つけてみましょう。そして、そのとき感じた気持ちを言葉にして、子どもたちと話してみましょう。子どもたちもまた、心の中に蓄えてきた言葉で、私たち大人では感じることのできない春を、目を輝かせて教えてくれるかもしれません。そんな言葉を聴いてみたいと思いませんか?
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