私の絵本体験記
「絵本フォーラム」21号(2002年03.10)より
娘との思い出の絵本
石崎 真理子さん(大阪府貝塚市)

写真  誕生の祝いに友人たちからめだかコースが送られたのは、もう20年も前で、それが娘と本との出会いでした。そしてこの絵本たちには、彼女の「字を書きたい」という欲求が高まった時期に、その絵にあわせて彼女の作ったお話が書き込まれて、今では思い出の品となっています。
 いつ頃から読み聞かせを始めたのか定かではありませんが、6ヶ月頃の写真にはもう本を抱えて一人前の顔をしている彼女がいます。小学校に上がる頃まで、求められるまま最低3ラウンド、後には3冊、が日課となっていました。親の私からすれば、フルタイムで働いて帰ってきた身体にはきっときつい日もあったと思いますが、それも思い出せないほど、接する時間が短いだけ余計に貴重な時間であったようにも思います。彼女のほんの幼い頃のお気に入りは、「パターンがくり返される話」で、話の展開を予想するかのように真剣に絵に見入っていたことが思い出されます。また『海外秀作絵本』は、自分で読めるようになってからも、親子でくり返し読みました。成長につれ、本から遠ざかってしまったように見えた時期もありましたが、親の知らないところで読み続けていたらしく、今でも本を読むのは苦にならないと言います。
 この原稿を書くに当たり、大学生になって今は一人暮らしをしている彼女と、思い出の絵本をめくりながら楽しい時間を持つ機会を得たことをうれしく思います。
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