私の絵本体験記
「絵本フォーラム」27号(2003年3.10)より
確かなものに巡り会えて本当によかった
川上 洋子さん(兵庫県明石市)

写真  子育てに絵本の読み聞かせが良いと聞き、長女が8ヶ月の時から読み聞かせを始めました。わたし自身、初めて出会う絵本の数々に、いつしか子どもよりも親であるわたしの方が絵本のとりこになりました。図書館にせっせと通い、わたしと娘はたくさんの絵本を手にしました。
 ところが、2人目の出産で図書館通いが出来なくなりました。その時、「『こども図書館』を買って本当に良かったわ」と話していた知人の言葉をふと思い出したのです。それで、思い切って購入することにしました。
 『ひよこコース』を一通り読むと、長女は『すきときどききらい』を毎晩読んでと持ってくるようになりました。その本は長女にとって、妹ができて嬉しいけど悔しい、今の気持ちにぴったりのまさにオーダーメイドのような1冊だったのです。読み聞かせをするたびに長女は心の中のモヤモヤをかみくだき、消化しているように思えました。そんな長女が、ある日妹に絵本を読んでやっている姿を見たとき、ひとつのハードルを乗り越えて、心も成長したことを嬉しく思いました。
 ただ読み聞かせするだけで、子どもは言葉をたくさん覚え、知らない間に様々なことを学びとっています。親としてこんなに楽で嬉しいことはありません。年齢に合った本を選び抜いている『こども図書館』の良さがよくわかりました。こんなにいろんな情報、物があふれている時代に確かなものに巡り会えて本当に良かったと思います。これからも2人の娘をひざに乗せて、心をこめて読み聞かせを続けていきたいと思います。
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