私の絵本体験記
「絵本フォーラム」29号(2003年7.10)より
絵本で通じ合える親子の会話
小島 瑩子さん(青森県三戸郡)

写真  「先に行って、読む本を選んで」娘と交わす、寝る前の会話です。今までは「早くしなさい」の連発でした。こんな会話ができるようになったのは、子どもが小学生になり、仕事の関係で絵本に携わることになってからでした。
 私自身、本が嫌いでしたので、子どもに絵本を読んであげたのは幼稚園に入る前。しかも、学習関係の付録のものが中心でした。今さら小学生(1年生)に……とも思ったのですが、自分が体験してみないことにはと思い直し、ほるぷさんお勧めのコースを次々と買い込んで、読んでみることにしました。
 最初に「絵本ってすごいなぁ」と思ったのは、『ロージーのおさんぽ』でした。読んであげると、子どもがゲタゲタ笑い始めたのです。「そんなにおもしろい?」と聞くと、「うん、もう一度読んで」そして、また同じように笑い出すのです。私がどんなにがんばっても、こんなに短い時間に子どもを笑わせることはできない、すごいなぁと思った瞬間でした。
 また、意外だなと思ったのは、当町出身の馬場のぼるさんが絵を描いた『かえるがみえる』に興味を示したときでした。言葉が少し難しいと思っていたのですが、子どもは絵を見ることで、難なくその言葉の意味をクリアしていたのに気づかされました。
 ここ最近は、『ふたりはともだち』を好んで読んでいます。「千葉先生が読んでくれたんだよ」「そうか、学校で朝の読書の時間に読んでくれたんだ」と、自然に学校の様子も会話の中に出てくるのです。そんな何気ない親子の会話がとても心地よく、私の至福のときとなりました。
 子どもが「いや」と言うまでは、毎日とはいきませんが、読み聞かせを続けたいなと思います。最後に、素晴らしい絵本との出会いを作ってくれたほるぷさんに感謝いたします。
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