私の絵本体験記
「絵本フォーラム」33号(2004年03.10)より
絵本がくれたたくさんの宝物
佐藤 奈緒子さん(秋田県本荘市)

写真  現在1歳2カ月になる娘は絵本が大好きで、自分でページをめくっては「ダァ」「アー」などとお話ししながら、絵本が広げてくれる世界を楽しんでいます。
 生後3カ月から読み聞かせを続けてきました。初めは「黙って話を聞くことなどできるのだろうか?」と少し不安を感じながらも、反応が楽しみで、ウキウキしながら『かみさまからのおくりもの』を手に取りました。ページを開くと、娘の目が絵本にくぎづけになりました。これは、私にとって驚きでした。2ページ、3ページと読むうちに、興味はほかに移ってしまったのですが、確かに絵本に引き込まれていました。
 その後、できるだけ毎日読み聞かせを続けてきました。そのうちに、娘に変化が現れてきました。絵本を最後まで集中して聞くことができるようになったのはもちろん、娘が最近歌を歌ったり、踊ってみせたりの表現を楽しんでいる中で、「げんこつ山のたぬきさん」や「いっぽんばし」などの歌遊びを始めると、本棚から『あがりめさがりめ』を取り出し、そのページを開いて踊ったり、歌ったりして見せてくれるようになったのです。表情はニコニコ、体全体で踊って表現する娘を見ていて、家族の間にも笑顔の輪が広がります。
 絵本は物語や絵を楽しめるだけでなく、表現する喜びを味わえたり、楽しく明るい家庭づくりの手助けをもしてくれるものだと、その素晴らしさに、ただただ驚かされる毎日です。これからもすてきな宝物をたくさん見つけていきます。
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