私の絵本体験記
「絵本フォーラム」37号(2004年11.10)より
絵本をつくる楽しみ
土井 和香さん(長崎県諫早市)

写真  3年前、私が勤務する図書館に手づくり絵本サークルができました。私は以前から自分で絵本をつくってみたかったので、メンバーに加わり、毎年1冊、サークルの作品展用に絵本をつくっています。夫も絵本づくりに関心があり、毎年1冊、絵本をつくり、一緒に出品しています。
 3年たつと、この絵本づくりはわが家の年間行事の一つになってきました。夫も私も仕事と家事の合間にぼちぼちつくるので、作業はなかなか進みません。でも、「どんなストーリーにするの?」「絵を描くの手伝って!」など、2人でわいわい言いながら協力してつくるのは楽しいものです(ときどき雲行きが怪しくなることもありますが……)。
 2人の絵本の主人公は、もっぱら昨年生まれた息子です。家族ネタなので、よそ様にお見せするのは恥ずかしいのですが、息子ネタは尽きません。成長記録にもなると思ってつくっています。大きくなった息子に「こんなこと書いてー」と怒られるかもしれませんが……。
 夫も私も絵本づくりは素人なので、絵や文章、製本はつたないものです。でも、ちょっとヘンテコでもいいかと思っています。手づくり絵本の魅力は、世界にたった1冊であり、どの絵本からもつくり手の絵本に託す想いがほんわか伝わってくるところです。みんないい持ち味を出しています。
 ぼちぼちですが、私はこれからも絵本づくりを続けていきたいと思っています。そのうち、息子も絵本づくりに参加できるようになるでしょう。年を経て、私たちがつくった絵本は、そのときどきの家族の思いを記す、貴重な記録になると思います。
 最近、絵本づくりの本もいろいろ出版されています。よろしかったら、皆さんも絵本をつくってみませんか? 自分の心の記録として、愛する人へのプレゼントとしてもお勧めです。
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