私の絵本体験記
「絵本フォーラム」39号(2005年03.10)より
絵本と私
吉田 陽子さん(福岡県福岡市)

写真  私が幼いころ、家には絵本がありました。そんなに多くはなかったけれど、母が選んで、父が読んでくれていたことを最近知りました。
 でも、小学生のときの図書の時間は大嫌いで、本を読まずに返していました。中高生で読んだ記憶はなく、大人になってからは、気が向いたらというか、たまたま読みたい本に出会ったら読む程度でした。
 そんな私は、子どもが産まれると、絵本を読んであげたいと思うようになりました。でも、子どもが小さいときに本を探すのは大変なことで、本屋に行っても、図書館に行っても、気に入った本を探せませんでした。
 そんなとき、ほるぷフォーラムと出会い、子どもたちのためだけでなく、自分のためにと買い求めました。本を読まない自分のために、絵本から読み始めようと思ったからです。
 そして、小学校での読み聞かせも始めました。家では読まない主人も一緒に。
「してみようと思うんだけど」と相談すると、「おれもしようかな」という返事が返ってきて、とても驚きました。主人はそういうことをする人ではなかったのですが、平日が休みで、運動会などの行事を見てやれないからというのが理由なのだそうです。でも、家に本があったからそういう気持ちになったのだろうと勝手に思っています。
 学校で読むのは月に一度の15分間ですが、家とはまた違ったおもしろさがあります。主人と本を選ぶのも楽しいひとときです。
 絵本がいろんな出会いを運んできてくれました。これからも、子どもたちのために、自分のために、読み続けたいと思います。
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