私の絵本体験記
「絵本フォーラム」44号(2006年01.10)より
親子の大切な時間
齋藤 久美子さん(福岡県前原市)

写真  『ほるぷこども図書館』を知ったのは、下の子を出産した産院での絵本講座を聞いてからでした。それまでも、上の子が通う保育園から毎月届く絵本を見てはいたのですが、下の子が産まれ、2歳の上の子にもさらに手がかかり、毎日本当に育児にピリピリしていました。
 最初は、一度にたくさんの絵本が届いたら、「よんで、よんで」とせがまれて、もっと忙しくなるな……と思っていましたが、実際には、「よんで」と持ってくる子どもと一緒になって、私自身も「あれもこれも見たい!」というワクワクうれしい気持ちになっていました。育児にピリピリしていた私が、絵本を読み聞かせている間だけはなぜか心が落ち着き、“優しいお母さん”になっていると感じることができます。
 仕事をしているため、まだまだ慌ただしい毎日で、ささいなことで子どもをしかったり、バタバタした日々を過ごしていますが、寝る前の絵本の時間だけは欠かせません。子どもも絵本を見ているときは、長いお話もじっと聞き、空想したり、保育園でのことを話したり。また、私にしかられた日などは、「ママ、今日はごめんね」と言ってきます。私も、「ママもちょっと言い過ぎたね。ごめんね」と素直に言えるようになりました。絵本を通して、本当に親子のきずなの大切な時間を感じています。今年、上の子は1年生になりますが、これからもこの時間を大事に、読み聞かせを続けていこうと思います。
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