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2006年7月22日(土)

飯田橋レインボービル
〜 「読み聞かせ」について 〜 第2編

報告者・末永 美和


 第2回目の講座が、各地から集まった受講生の熱意と期待とともに開催されました。

講座の写真  午前の講演は、批評家・エッセイストの飫肥糺氏。演題は「絵本で育つ親と子のコミュニケーション」。
 今の社会は豊かになり便利である一方、親とのかかわりが貧しい中で育つ子どもたちの現状について呈されました。溢れんばかりの情報の渦に、周りの人も、そして気づかぬうちに自分自身も巻き込まれ壊されてしまっていると語る飫肥氏。
 大人一人一人が“自分自身はどうなのか”を見つめなおす必要を強く感じました。

 コミュニケートする力の破壊、母性が育ちにくい環境などが危惧される中、絵本の持つ力がその状況を救う助けになるだろうと伝えておられました。
 まず、自分自身を見つめなおす、そして豊かなかかわりとはどういうことなのか、氏に読み聞かせしていただいた絵本の中から、その助けとなる大切なことを伝えていただきました。
 絵本の力を大人たちに、そして子どもたちに届けることが急務であることを、受講生の方々も感じられたことでしょう。

講座の写真  午後の講演は、絵本作家のとよたかずひこ氏。演題は「でんしゃにのってももんちゃんがやってくる−自作を語る−」。
 講演は、童心社初という赤ちゃん向けの紙芝居『ワンワンワン』の読み聞かせでスタート。とよた氏のやさしい語りと温かい雰囲気に、和やかなムードが広がりました。
 そして自作の紹介、読み聞かせ、作品ができるにあたってのお話や、氏の様々な経験をユーモアたっぷりに伝えていただきました。常に子どもと同じ目線でいようとしているとよた氏だからこそ生まれた作品の数々に、皆の心が洗われたようです。

 「大人たちこそ、今の子どもたちにエネルギーを与えていかないといけない」と語るとよた氏。氏は日曜日になると近所の子どもたちと三角ベースをして遊んでいるとのこと。
 きっとその子どもたちはとよた氏から、大人が元気で希望を持って頑張る、そんな姿を感じ取っていることでしょう。
 今の次代だからこそ、子どもにエネルギーを与えられる大人に私たちもならなければ!

講座の写真  グループワークでは、今日の講演の感想や『いない いない ばあ』(松谷みよ子/文、瀬川康男/絵、童心社)の読み聞かせをしあいました。
 藤井専任講師より「読み聞かせが上手、下手ではなく、子どもと一緒に楽しんでほしい」という話もあり、それぞれのグループからは初めてのことに緊張しつつも、自分なりの読み聞かせをし、また、その読み手の語りに顔をほころばせている受講生の姿がみられました。

 「絵本はハートで読むんだね…」という受講生の声も。絵本の持ち方やめくり方など、技術的なことばかりに捉われず楽しむこと、読みあう機会を持つことが大切であることを私自身も再確認した時間でした。

(すえなが・みわ/絵本講師)

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