第3期「絵本講師・養成講座」東京会場の閉講式が3月24日、東京・新宿区の飯田橋レインボービルで開催されました。
やっと迎えた、この日。講座の度に提出していたリポートも、今日は返却を受けるのみとあって、皆さんのお顔もこころなしか少しリラックスしているようでした。
午前の部。修了式が始まると、受講生の皆さんのお顔がきりりと引き締まります。
NPO法人「絵本で子育て」センターの森ゆり子理事長から、各グループの代表者への修了証書の授与後、「皆さんの頑張りに、心打たれました」、と温かいメッセージを受け、会場内にはそれまでの緊張感だけではなく温かな空気が流れました。
1期生で絵本講師の松本也寿子さん、「絵本で子育て」センター関東地区理事の山中光江さん、そして鈴木出版・編集長の波賀稔氏らから祝辞が述べられ、「絵本講師」として新たな一歩を踏み出す皆さんへエールが贈られました。
今の社会の中で、「絵本講師」として何をしてゆくべきなのか、どうして活動していけばいいのか?修了証書を受け取り安堵の表情だった受講生の皆さんのお顔が、再び精彩を放ちます。
また、多数寄せられた祝電も披露されました。その中にも、お祝いの言葉とともに、今後担うべき役割の意義や重要性が熱く語られていました。
お昼の休憩をはさんでの午後の記念講演は、誰もが待ち望んでいた松居直氏(福音館書店相談役・文学家)の登場です。
凛としたお姿で語られるのは、「絵本のよろこび」。ご自身の幼少期のお話から、子育てのエピソード。そして、現在社会の様々な問題点などを明示してくださいました。
絵本を楽しむには、豊かな生活体験(実体験)が重要であり、五感を使って物事を感じ取ること。子どもにとっての「聴く」体験の大切さなど、どのお話も心に染み入ってきました。
子守歌やわらべ歌の現代的意義や言葉でつながる親子関係など、受講生の皆さんは本講座で学んできたことの意味を再確認するように、氏のお話に聴き入っていました。
懇親茶話会では、この1年共に学んできた仲間同志、お互いねぎらったり、今後の抱負を語ったりと、お話に花が咲きました。
聴講生として参加している先輩に話しが聞きたい、と熱い瞳で積極的な質問も寄せられました。
1年間を通じて、「絵本の力を再確認できた」「発見があった」「受講してよかった」などの喜びの声。そして、連絡先住所を交換し定期的な会合を約束するグループ。中には、年4回程度の通信発行を決めたグループもありました。
盛会のうちに終了した東京での第3期「絵本講師・養成講座」。第4期もまもなく開講される予定です。
同じ志を持ち、各地でそれぞれの活動を展開する仲間が増えることを、頼もしく、嬉しく思いました。小さな羽ばたきが大きな風を起す日、それはそんなに遠くない、と信じます。
(なかたに・もとこ/芦屋2期生) |