第 4期「絵本講師・養成講座」芦屋会場第3編「絵本講座について」が8月25日、芦屋市のラポルテホール3階特設会場で開催されました。
連日の猛暑の中、いつものように開始時間を待ちかねた受講生の皆さまが次々と来場されました。
午前の部の講師・浜島誉志子氏は、過日たいへんな交通事故に遭われたと事務局より聞いていましたが、お見受けしたところお元気なご様子で安堵しました。講演の冒頭で〈事故〉のことも話され、療養中のため〈座っての講演〉となりました。
演題「読み語りの楽しさ(実演)」として講演が始まりますと、以前にも増して元気な声で「絵本で子育て楽しみましょう。絵本はお母さんが声に出して読むと、それが読み手と聴き手の心に響き、お母さんの声を通して絵本から〈真〉〈善〉〈美〉という三つの大切なことを子どもに伝えることができる」と先生の確固たる信念を披露されました。
次に、『タニファ』『はらっぱにライオンがいるよ!』『マウイたいようをつかまえる』など先生の翻訳された絵本を読み語りしてくださいました。その語りは、会場の受講生の心を魅了し絵本の持つ楽しさ・すてきさが十分に伝わったと私は感じました。
午後の部は、片岡直樹氏「テレビ・ビデオが子どもの心を破壊している」と題してレジュメとスライドによる講演が始まりました。
私たちの現代の生活は、テレビ、ビデオ、コンピューター、携帯電話などの電子機器に囲まれています。そのような環境の中で、子どもが喜ぶ(欲しがる)からと、大人が無制限にテレビ、ビデオ、電子おもちゃなどを与え続けていると〈言葉遅れ〉〈コミュニケーション障害〉という発育不全が起こります。その実際の家族の生々しい映像が紹介され、受講生一同ショックを受けられたようでした。
また、片岡氏は〈赤ちゃんは産まれたときは白紙であり、人としての成長は人間の中の特定の人の影響を受け、その中でスキンシップと模倣で育てられる〉と話されました。映像に映し出された子どもの表情は、見る者に激しい衝撃を与え、人として育つには人間との関わりの大切さを改めて痛感させられました。
続いて藤井専任講師より、片岡氏の講演の中での〈自閉症類似〉と、脳の器質的障害(器官が変形を起こすまでになった障害)である〈自閉症〉とは別次元の問題で、誤解のないように分けて考えなければいけない、との捕捉説明がありました。
また、お二人の講演から「私たちは、何を学び、何が大切なことであるかをしっかり考えること。現代の子どもたちの育ちの環境を大人が知っておくことが大事」と話されました。
最後のグループワークでは、浜島氏の感情を込めた〈読み語り〉が話題になりました。賛否の意見が活発に交わされていましたが、絵本の読み聞かせには、それぞれの考え方、読み方があってもよいのではないか、との意見が大勢を占めたようです。
受講生の皆さまにとっては、充実した議論の時間であったと思いました。
私は、これからも真摯に絵本のすばらしさと、絵本と共に人の輪の広がりを大切にしていきたいと思います。 |