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報告者
福岡第3期
石田 裕子
〜  絵本講座をやってみよう  〜 第5回

2008年1月12日(土)
福岡朝日ビル

主催:NPO法人「絵本で子育て」センター  共催:ほるぷフォーラム社
協賛:岩崎書店・偕成社・金の星社・こぐま社・鈴木出版・童心社・ほるぷ出版・理論社
後援:西日本新聞社  特別協賛:ラボ教育センター

 新しい年が明けました。今年は子年。絵本の中にもたくさんの可愛いネズミたちが登場します。その中でも私のお気に入りはレオ・レオニ作の『フレデリック』です。
  冬ごもりの支度に忙しい中のネズミたちを尻目に、ジーッとしている一見怠け者のフレデリック。でもフレデリックもちゃーんと集めていたのです。光や、色、そして言葉。フレデリックが私に教えてくれたのは、生きて行く為には心の栄養も必要だということ。実はこの殺伐とした現代にもっとも必要な栄養かもしれません。

 さて、福岡の第 4期絵本講座も終盤にさしかかり第5編の今回はいよいよ実践課程の「絵本講座をやってみよう」です。
  午前中は大先輩である九州理事であり絵本講師の松本直美さんの絵本講座の実演です。
  最初に『ちびゴリラのちびちび』(ルース・ボーンスタイン/作、ほるぷ出版)で絵本を読んでもらう事の心地よさを『いないいないばあ』(松谷みよ子/ぶん、瀬川康男/え、童心社)では子どもたちが大人とは違った視点で「絵を読んでいること」を、『ももたろう』では絵本のクオリティについて語られ、おやつの絵本と主食の絵本の違いについて話されました。
  また、『おおきなかぶ』では語彙の獲得について、言葉をたくさん持つ事で心は豊かになりコミュニケーションがスムーズになるという事を語っていただきました。
  『すみれ島』(今西祐行/ぶん、松永禎郎/え、偕成社)は何度読んで頂いても涙が浮かんでしまいます。そして命や平和の大切さと絵本の奥深さを再認識しました。

  短い読み聞かせであっても、親子が絵本を通じて同じ感動体験をする事により共通言語が生まれ、お互いの理解が深まるということは、絵本講師を目指す者にとっても、一人の母親としても非常に興味深いお話を聞かせて頂いたと思います。

 また、第 3編で講義をして頂いた片岡直樹氏(川崎医科大学小児科教授)の著作『テレビ・ビデオが子供の心を破壊している』等を例に挙げ、幼児期における映像の害についてもお話されました。
  どんなに幼い乳幼児であっても授乳時に休んでコミュニケーションを求めているという事実に、やはり人間は成長する為に親からの優しい言葉掛けや信頼が不可欠なんだと改めて考えさせられました。

 午後は、いつもより長い時間のグループワーク。次の課題はいよいよ最終レポート。自分自身で絵本講座を組み立てるという、やりがいもありますが大変な課題です。
  松本さんをはじめ、私たち特別聴講生にもどんどん質問が飛んできました。
  今までテキストや講師の方々から学んだ事をいかに自分自身の言葉で訴えることができるかという難題を前に不安げな表情もありましたが、皆さん熱心に質問されていましたので、次回の最終講座までには一人一人の個性あふれる絵本講座が生まれていることでしょう。
  昨年の自分自身(レポートに四苦八苦しました!)を振り返るようで、「がんばってくださいね!」とエールを贈らせて頂きました。

 また、藤井専任講師からは現在巷に溢れるケータイ小説についての興味深い考察や、現代の家族形態の変化を聞かせて頂くことができました。
  「心は理屈で学ぶものではない、理屈以前に学ぶもの。」「罪の意識は、何かに誓いを持っていないと生まれない。」という言葉にとても感銘を受けました。

 次回はいよいよ最終講座です。素晴らしい絵本講師の方々が続々と生まれることによって、家庭や地域に言葉やコミュニケーションの力を取り戻せたら殺伐とした社会にたくさんのオアシスができるのではないでしょうか?
  私自身も少しでも多くの方に絵本の奥深さ素晴らしさを伝えていくことが出来るよう、フレデリックのようにたくさんの心の栄養を集めたい、そして分かち合いたいという思いを深めました。

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