全国的に梅雨が明け、猛暑が続いています。
第5期「絵本講師・養成講座」東京会場第2編が7月19日、新宿区飯田橋のレインボービルで開催されました。
今回は、芦屋会場からの参加者もあり、学ぶ意欲に満ちた講座になりました。
午前は、批評家・エッセイストの飫肥糺氏の、「絵本で育つ親子のコミュニケーション」の講演でした。
氏は「大人が絵本を読む。読んでいると、気持ちが良くなる。体調も良くなる。大人は絵本をどんどん読むと良い」と話されました。
また、「こどもは、こども時代を完成させなければいけない。こどもの時にこどもらしく育っていないと、自然の摂理とかがわからない」とも話されました。
たくさんの絵本の読み聞かせもありました。
『ガンピーさんのふなあそび』(ジョン・バーニンガム/さく、みつよしなつや/やく、ほるぷ出版)では、「今の大人は、ガンピーさんのように懐深い大人になれるのだろうか?」と疑問を投げかけ、『なつのいなかのおとのほん』(マーガレット・ワイズ・ブラウン/作、江国香織/訳、ほるぷ出版)では、「音、特に自然の音を感じること。音を失った都市生活では、人間が人間でなくなる要素を持っている」と教えられました。
生活の中で、忘れてしまっているようなことを、絵本は思い出させてくれる。絵本は大人の本でもある。まず、大人が楽しみ、そしてこどもに読んであげる。
「親子で絵本を読むこと、そして感じること」これが大切なのだと改めて感じました。
午後は、絵本作家とよたかずひこ氏の「でんしゃにのってももんちゃんがやってくる−自作を語る−」の講演でした。
まず、9月に出版される絵本、「おいしいともだちシリーズ」についての話がありました。自立した食べ物が主役です。
講演は紙芝居から。子育て中に作った作品『でんしゃがくるよ』(童心社)、子育てを終えてから作った作品『ゴロゴロゴロン』(童心社)を演じてくださいました。
絵本では、氏が自身の為に作ったと言う『でんしゃにのって』(アリス館)や、バルボンさんシリーズ、ももんちゃんシリーズを、講演会に行った先でのエピソードを交えたり、作品作りの裏話をしたりしながら、読み聞かせしてくださいました。
また、「裏表紙の絵にも意味があるので、しっかり見せて欲しい」
そして、「今のこどもはエネルギーがなくなってきている。読み聞かせの時は、読み手からこどもにエネルギーを吹き込んでほしい。そして、作家の想いみたいなものを伝えてほしい」と話されました。
会場もほのぼのとした雰囲気に包まれ、読んでもらうことの心地よさに酔いしれているようでした。
講演後は、藤井専任講師から第1編課題リポートの講評や質問に対する返答などがあり、皆、真剣な眼差しで聞いていました。
絵本、作品に対する考えや思いは、それぞれ違うこと。自分なりの理解が大切であることを学びました。
最後のグループワークは、『いないいないばあ』(松谷みよ子/文、瀬川康男/絵、童心社)の読み聞かせでした。
グループ毎に楽しく読み聞かせをして、同じ本でも読み手が違うと語りも違うのだと、感想を話し合いました。
前回の緊張が少しほぐれ、どのグループも意見交換が盛んに行なわれていました。
縁あって出会った仲間達です。私も第5期の仲間達と一緒に、さらに学びを深めていきたいと思いました。(ふなむら・ともよ) |