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報告者
芦屋5期生
内藤 直子
開講式   〜 絵本について 〜

2009年4月18日(土) ラポルテホール

主催:NPO法人「絵本で子育て」センター  共催:ほるぷフォーラム社
協賛:岩崎書店・偕成社・金の星社・こぐま社・鈴木出版・童心社・ほるぷ出版・理論社
特別協賛:ラボ教育センター

 花暦が桜花から新緑へと移る 4 月 18 日、第 6 期「絵本講師・養成講座」 (芦屋会場) の開講式に受講生 82 名、特別聴講生 10 名が集い開催されました。

 開講式では、まず主催者を代表して NPO 法人 「絵本で子育て」センター森ゆり子理事長のあいさつがありました。
同氏から、本講座の趣旨と今年度の芦屋会場の受講申し込み状況などの説明があり、「 80 人以上の方が抽選に外れました。その方々の分もしっかり学んでください」と静かな語りの中にも力強い励ましがありました。そして、「 1 年間の講座での真剣な学びは、人の表情をこんなにも優しく美しく変えます」と 10 名の特別聴講生 (第 5 期生) を紹介されました。ピーンと張りつめていた会場が、一瞬、笑顔に包まれました。
 

 続いて本講座を支援・協賛してくださっている 4 社のご来賓と、絵本講師の先輩からご祝辞をいただきました。
最初に、大長咲子様 (「絵本講師の会」副会長 )は、優しい笑顔で先輩としての経験を話され、中でも「課題リポートも楽しんで取り組みました」、のお言葉は受講生の気持ちを楽にしてくださいました。

  ママズケア主宰の南田理恵様は「講座修了をお待ちしています。若いお母様方にぜひお話に来てください」と学びの入り口に立った受講生に呼びかけられました。受講生には、心強い励ましの言葉として届いたことでしょう。
渡辺俊英様 (ラボ教育センター関西総局次長) は、子どもを取り巻く環境の変化、子どもに関わる大人が少なくなった現状を話され、それに対応する存在として「絵本」の役割が大きくなっていることを述べられました。
岩崎書店営業部総括・籠宮敏治様は、第 5 期の開講・修了式にもご列席くださった体験から、 1 年間で受講生の表情が優しく美しくなった講座の持つ力を話され「 1 年後を楽しみにしています」とエールをいただきました。
  最後は、吉井康文氏 (こぐま社専務取締役) 。大人は絵本を手に取ると、残念ながら文字から入るため絵が読めなくなっている、と前置きされ、「どうか、絵本の絵を意識して積極的に絵を読み、新しい発見・不思議の体験をしてください」と受講生に語りかけられました。
ご来賓の皆様の温かい励ましの言葉は、不安と緊張が交差する受講生を大いに勇気づけたことと思います。

 引き続きオリエンテーションです。受講生が 10 グループに分かれ、自己紹介、グループリーダー・サブリーダーの選出などがありました。また、特別聴講生 10 名も各グループにオブザーバーとして入り、 1 年間ともに学んでいきます。

昼食を摂りながら講座受講の動機や体験談など、どのグループも和やかに話しが弾んでいました。
  開講式のこの日は、『きつねやぶのまんけはん』 (作・中川正文、画・伊藤秀男、企画制作・絵本講師の会、「絵本で子育て」センター刊) のお披露目の日。
本「絵本講師・養成講座」開講 5 周年を記念して制作された『きつねやぶのまんけはん』は、会場前方にうずたかく積まれていました。手に取ると、本には墨痕あざやかな中川先生のサインがありました。聞けば、開講式前夜に中川先生が一冊一冊心を込めてサインをしてくださったそうです。インクの匂いも香しい出来たての絵本は、次々と受講生の手に渡っていきました。

昼食のお弁当は、稲荷寿司。傍には小さな「きつねうどん」のカップ麺が添えられ、センターの温かな心配りを感じました。
『きつねやぶのまんけはん』は、「絵本で子育て」センター (絵本講師の会) のはじめての絵本出版です。待ち望んでいた絵本の完成を全員で喜び合いました。

 午後は、中川正文先生 (大阪国際児童文学館名誉館長・「絵本で子育て」センター顧問) の記念講演「絵本・わたしの旅立ち」です。
ご講演のなかで、作者である中川先生の『きつねやぶのまんけはん』の、読み聞かせ(本邦初)がありました。静かな声に包まれた会場は、一時(ひととき)奥深い山里となりました。誕生したばかりの絵本を作者自ら読んでくださる感動と心地よさは、参加した受講生の心の中にいつまでも残ることでしょう。
お母さんが本当に感動した絵本を子どもと同じ目線で読む。ともに感動し、それを繰り返すことで大人も子どもも成長する。お母さんも本気で絵本の「読み」を練習することで、新しい気づきがあり、絵本を自分のものにすることができる、と話されました。

 ご講演のエンディングに、『すみれ島』 (文・今西祐行、絵・松永禎朗、偕成社) の読み聞かせをしてくださいました。先生の声が静かな会場に、高く低く響き渡っていきます。
野原に咲くすみれ。すみれ草で相撲に興じる若者。空遠く消えていく特攻機。
受講生の胸の底には、何が浮かんだのでしょうか。目頭を押さえ嗚咽する姿が、あちらこちらに見られました。

 その後、藤井専任講師による、講座の学び方、課題リポートの作成の注意点などの説明がありました。 最後は、午前と同じグループでのワークの時間。中川先生のご講演の感想、課題リポートに対する質問、講座修了後の希望など、積極的な意見交換が行われました。本講座ではじめて会った受講生が講座終了時には、絵本を架け橋に同じ志を持った「仲間」と変わっていました。お互い笑顔で今日の新しい出会いと稔りの多い一日を喜び合いながら、次編での再会を約し会場を後にしました。(ないとう・なおこ)

★芦屋会場リポート 第1編/第2編/第3編/第4編/第5編/第6編
★東京会場リポート 第1編/第2編/第3編/第4編/第5編/第6編

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