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報告者
芦屋7期生
服部 貴子
第6編 〜私の絵本講座の発表〜
2012年02月25日(土) ラポルテホール
主催:NPO法人「絵本で子育て」センター  共催:ほるぷフォーラム社
協賛:岩崎書店・偕成社・金の星社・こぐま社・鈴木出版・童心社・福音館書店・ほるぷ出版・理論社

 春の訪れはまだ遠いと思わせるような小雨の降る2月25日(土)、第8期「絵本講師・養成講座」(芦屋会場)の閉講式が、ラポルテホール3F特設会場にて開催されました。
式は修了証書の授与式からはじまりました。グループごとに1人1人名前が読み上げられ壇上へ。
グループリーダーが代表して森理事長より修了証書を受け取ると、その後全員が会場に向かい一礼。その表情は、約1年間にわたっての講座学習(リポート作成、グループワークなど)をやり遂げた充実感とこれから「羽ばたく」というほとばしる気持ちで満ち溢れていました。
開講式で、森理事長がおっしゃったように、皆さんの表情は「美しく輝いて」いらっしゃいました。
森理事長からは、お祝いの言葉が述べられ「壇上でお話することだけが絵本講師ではありません。子育ての中で活かす、友達に話すといった身近なことから講座で学んだことを伝えていっていただきたい」と述べられました。
8期を終了した現在、絵本講師は全国に1000人以上誕生したことになります。そのことにも触れられ「皆さんが、絵本講師として活躍される事を願っています」、と新たな一歩を後押ししてくださるあたたかいお声で修了生に語りかけられました。

次に、藤井専任講師の全体講評では「全体的に大変良く出来ていた。初めと終わりの挨拶が抜けているリポートが多かったのは残念だが、子どもとの体験談等がたくさん盛り込まれており、聞く方に寄り添う形でとても良い作品や、<ももたろう>に関して比較の仕方が面白い講座もあり、とても良かった!」と講評されました。また選書の仕方では、あまり「マニアックにならないように気をつける」と言う指摘もありました。
そして絵本を届ける大人としての心得をもう一度話され「演じることではない、自分の<身体性>が伝わることが大切である、畏怖と敬意を無くして読み聞かせをするべきではない」と述べられ、絵本講師一同、初心に返る一幕もありました。
「絵本の旅には終わりはない、ここからが始まりである」、と述べられ「続・絵本講師の本棚から」のPRをされ、最終章(企画の最後)である「続々編」への想いをお話になりました。

続いて、来賓祝辞として、久賀弥生さん(芦屋6期生)よりご祝辞をいただきました。
久賀さんは、ご自身の体験談を話され「中川先生の最後の講演を聴かれた8期生の方です、それぞれの想いをそれぞれの形で伝えられたらいいと思います。志を胸に羽ばたいて欲しい」とエールを送られました。
井下陽子さん(芦屋1期生・はばたきに会副会長)からは「まず、失敗を恐れずに第一歩を出来るだけ早く踏み出して欲しい、そこには得るものがたくさんある。それによって色々な環境下に置かれている母親の気持ちに寄り添うことが出来る」と述べられ、「みなさんに期待しています」とくくられました。
ママズケア主宰の南田理恵様は、ご自身の助産師という立場から「この講座は世代を越えて、情報交換が出来てとても良い、子どもの将来や経済不安、そんな中で子育てしなければならないお母さん達にここで学んだことを伝えて欲しい、皆さんの活動に期待しています」とご祝辞をいただきました。
こぐま社社長・吉井康文様からのご祝辞は「言葉の力、聞く力が弱くなってきている。体全体で言葉を受け止めている赤ちゃんには肉声で語りかけることが大切」と述べられ「絵本洪水の現代、目に見える結果だけを求めるのではなく、絵本でしか出来ないことを子どもに味あわせて欲しい、何かの為の絵本ではなく本当に読んで欲しい本に出合わせてほしい」と述べられ、「中川先生の最後の受講生として誇りを持ってください」としめくくられました。

昼食をはさみ午後からは、梅田俊作先生の記念講演「梅田俊作 自作を語る」です。
3・11以降、ご自身が抱かれた想いや、福島に出向かれてお感じになられたことを話されました。そこで子ども達との手仕事を通じて心を通わされた「パクパク絵本」。紙1枚で出来る遊びが子ども心をくすぐる、心を揺さぶられる、その心の体験は子どもの人格形成の中で、とても大切なことであると述べられました。
子どもが子ども心を無くしつつある現代、これは無関係・無感動・無関心(三無)が存在する現実から大人も含めて「心のがらんどう」の中に生きているがゆえにおこってしまったこと、何もかもマニュアル化され、枠の中にはめこまれる子ども達を少しでも解き放つ時間が必要である、子どもは伸びる力を持って生まれてきている。ただ伸ばすのに時間がかかるだけ、とことん待つことで必ず成長する」と述べられました。
大人も遊び心を忘れてはならないという意味を込め、竹とんぼを壇上から会場へと飛ばされました。一同、一瞬にして童心に返り先生のおっしゃった意味を噛み締めるかのように、空中を舞う竹とんぼを見つめるばかりでした。
次に、梅田佳子先生が、今ご夫妻で手がけていらっしゃる民話絵本『びんぼうがみとうちでのこづち』を優しいお声で朗読してくださいました。
民話には子ども達にリズムもあり心に伝わる話がたくさんあるということから、お二人で民話絵本を手掛けることにされたそうです。絵本になる日が楽しみです。
その後、2グループに分かれて梅田先生ご夫妻、森理事長を囲んでの記念撮影となりました。
引き続き懇親茶話会が岸本和代さん(芦屋4期生)の穏やかな声の司会で始まり、はばたきの会副会長の大長咲子さん(芦屋1期生)の乾杯の音頭で宴の幕開けです。
池田加津子さん(芦屋3期生)から、とよたかずひこ、飫肥糺両氏、協賛出版社等からの祝電が披露され、そのお言葉に涙する場面も……。
祝電披露の最後には、昨年10月13日にお亡くなりになられた故中川正文先生のお言葉をお読みいただき、一同、惜別と感謝の気持ちでいっぱいになり、先生の言葉を胸に抱きそして伝えて行こうと決意を新たにした瞬間でした。
有松孝子さん(芦屋4期生)からは詩吟のご披露がありました。そして梅田俊作先生からも心に残るお言葉をいただきました。「夫婦が尊敬し合う事が……大切なんだよね」。
 どのような年齢であっても、どのような家族構成であっても、夫婦という形は変わらない、お互いにその気持ちを持って歳を重ねていけたら、と深く感じる言葉となりました。そして佳子先生に民話『おにばんばとさんまいのおふだ』を朗読していただきました。

本講座を司会進行された加藤美帆さん(芦屋3期生)が、1年間のお礼を述べられました。
最後に加藤さんの熱いエールで会場は盛り上がり、「はばたきの門出」は、歓声のなか終宴しました。

この1年の養成講座は言うまでもなく、スタートから様々な想い、お考えを持って受講されたことかと思います。そして中川正文先生との別れ、絵本講師として様々なことを経験し考える1年になったと思います。修了生の皆さんは、それぞれの想いを胸に抱き会場を後にされました。(はっとり・たかこ)



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