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報告者
芦屋8期生
山本 昌美
開講式   〜 絵本について 〜
2012年4月21日(土) ラポルテホール
主催:NPO法人「絵本で子育て」センター  共催:ほるぷフォーラム社
協賛:岩崎書店・偕成社・金の星社・こぐま社・鈴木出版・童心社・福音館書店・ほるぷ出版・理論社

 春風に吹かれ、桜の樹も若葉を揺する4月21日、芦屋市のラポルテホール3階特設会場にて、第9期「絵本講師・養成講座」(芦屋会場)開講式が開催されました。
今年は嬉しいことに男性3名を含む58名の受講生と特別聴講生9名(8期生)、特別参加2名が期待と緊張を胸に集いました。
開講式では、まず主催者を代表してNPO法人「絵本で子育て」センター森ゆり子理事長のご挨拶がありました。今年2月に第8期を閉講し、全国に1000人を超える絵本講師を輩出するに至ったこと、さらに「街をあるけば、絵本講師に当たる」と言われるようになることを願っておられるとお話くださいました。
また、「絵本が全てではありませんが、絵本は人が生きていく上で大きな手助けとなり子どもにも高齢者にも届いていくはず」そして「決して後悔はさせません」と励まされ、「学びを重ね1年後の皆さんはもっと美しくなっておられるはずです」と私達特別聴講生、特別参加を紹介してくださいました。その瞬間、緊張感で張りつめていた会場が笑顔で溢れました。

続いて、本講座を支援・協賛してくださっているご来賓と、絵本講師の先輩からご祝辞をいただきました
最初に、講座受講途中で新しい命を授かり、閉講式2日後に第1子のお嬢様をご出産された第7期生の原知恵様より「私にとって本講座は単に絵本を知るだけでなく、母親養成講座のようでもありました。リポートは大変でしたが、一生の宝物です」と率直に述べられ、受講生の期待を更に高めてくださいました。

次に「絵本講師の会」(はばたきの会)副会長、舛谷裕子様より「東日本大震災以降、日本は大変なことになっているが、時が過ぎると恐れや怒りが薄れてくる。忘れてはいけない」「西日本でも不安を感じている方がおられ、その時役にたったのが絵本。みんなが楽しめる絵本で心ゆたかな日本を……」と力強いメッセージをいただきました。

「絵本講師の会」(はばたきの会)副会長、大長咲子様からは「胸の内はワクワクとドキドキなのではないでしょうか」と笑顔で受講生に問われました。また藤井勇市専任講師のお言葉を引用し「ただ学習して学ぶだけでなく、生活全てから学んで欲しい。自身も現在、学びは続いています」とお話され、受講生に「深い学び」への扉を開けられました。

最後にこぐま社社長、吉井康文様からは「ここに集まった皆さんは絵本が好きということは共通」と会場全体を大きな仲間意識で包まれた後、電子書籍の普及を危惧され「本は五感で読むもの。そして絵本は1対1が基本」と絵本と子どもとの関係性のたいせつさを教えてくださいました。

開校式の後は、受講生が9つのグループに分かれ、初めてのグループワークを行いました。自己紹介、グループリーダー、サブリーダーの選出などを行いました。特別聴講生・特別参加も各グループにオブザーバーとして加わり1年共に学びます。

最初から和やかにオリエンテーションが始まるテーブルもあれば、緊張の面持ちでテーブルを囲っているグループもありましたが、昼食を挟んだころから、どのテーブルも出会った同志の話に真剣に耳を傾けられている姿が印象的でした。


午後からは、「絵本のよろこび」と題して、児童文学家・松居直先生の記念講演です。冒頭「皆さんに感謝申し上げたい。絵本にとって、一番たいせつなのは読者。読んでこそ価値が生まれる」と身に余るお言葉をいただきました。さらに「絵本の作者は覚えていなくとも、読んでもらった人のことは覚えている」と、大人が子どもに絵本を読み、同じ心と喜びを共有することのたいせつさをお話しされました。そして、ご自身の幼少の頃の体験を交えながら「絵本の絵は読むもの。言葉が絵を作る。言葉は生きる力。人と人のつながりは言葉。子守唄は言葉の体験の基礎であり、言葉は体の中に沁みとおって感性を刺激し、感覚感性の土台を作る」と再三にわたって「言葉」のたいせつさをお話しされました。
また、昭和期を支えた数々の才能を発掘、起用され沢山の絵本を編集された先生から、作家や画家がどんなに真摯に向き合って絵本を作っているかお話いただくと、会場からは感嘆の声があがっていました。
「絵本を見る目」を鍛えてほしい。五感はもちろん、第六感をもっていないと絵本の良し悪しは分からないとの先生のお言葉に、私も常に自分自身を磨き続け、真剣に絵本と向き合ってこそ、そこに楽しさと喜びとの出会いがあるのだと改めて感じ身の引き締まる思いがしました。

その後、グループに分かれ、藤井勇市専任講師による、講座の学び方、課題リポートの作成の注意点の説明を受けました。
グループワークに移る際に度々と机の移動を自分たちで行う本講座。「机の並べ方が上手になります」とのユーモアたっぷりに、会場は笑いで包まれました。そして、「学べば学ぶほど疑問が湧き、更に学びたくなる」それが本講座の「学び」であると述べられました。

午前中のグループワークとは打って変わり、受講生みなさんが、次々に自分の意見を発表されていました。私も参加させていただき伺っていると、皆さん本当に今から1年学ばれるのだろうか…。実はもうすでに学ばれた後ではないのか……と感じ入るほど絵本に対しての「学び」の深さに頭が下がる思いでした。私も負けてはいられません!!

今日の講座だけで、皆さんがとても素敵な笑顔で、足取り軽やかに岐路につかれているのが印象的でした。
次編は6月23日(土) 皆さん更に素敵になられていることでしょう。(やまもと・まさみ)

★芦屋会場リポート 第1編/第2編/第3編/第4編/第5編/第6編
★東京会場リポート 第1編/第2編/第3編/第4編/第5編/第6編

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