絵本講師養成講座

報告者
報告者 川口結実(芦屋7期)
芦屋7期
川口結実
第1編 〜 開講式 絵本について 〜
2015年05月16日(土)飯田橋レインボーホール
主催:NPO法人「絵本で子育て」センター  共催:ほるぷフォーラム社
協賛:岩崎書店・偕成社・金の星社・こぐま社・鈴木出版・童心社・福音館書店・ほるぷ出版・理論社

100歳のジャーナリストからのメッセージ

 第12期「絵本講師・養成講座」東京会場第1編(開講式)は2015年5月16日(土)少々気温が高めで梅雨を感じ司会・勝村美幸させるむしむしとした陽気の中、飯田橋レインボービルにて開催されました。

 開講式にご参列の皆様は、NPO法人「絵本で子育て」センター 森ゆり子理事長、東京7期修了生の佐藤ひろみさん、芦屋2期修了生の岡部雅子さん、理事の山中光江さん、そして太陽出版取締役の籠宮敏治さんです。

 

森ゆり子理事長からは、「11期を終えたところで絵本講師は全国に1300います。そして、街を歩けば絵本講挨拶 森ゆり子理事長師に会えるというほどの絵本講師が誕生することを目指していますとのお話がありました。

佐藤さんは、ご自身が初めて養成講座を受講した時の期待と緊張感を、つい昨日のことのように語ってくださいました。会場にいた私たち絵本講師も、初心にかえり暫し当時の気持ちにタイプスリップです。

岡部さんは芦屋在住の時に養成講座を受講し、その後東京に移り住んでからも講師活動を続けている想いを語ってくださいました

山中光江さんからは、ご自身の受講当時のお話に触れながら、第12期受講生への暖かな励ましのお言葉を贈られました。

祝辞・岡部雅子氏 祝辞・山中光江氏

祝辞・籠宮敏治氏  最後に籠宮さんからは、「出版不況といわれる中、消費税が2017年3月に10%に増税されるが、出版物の軽減税率適用を求める声が高まっている」ことと、「絵本講師が世に出て活動していくことを応援するといった激励のお言葉を頂きました。

 その後、6つのグループに分かれて、グループワークと昼食会です。こグループワーク風景のメンバーで一年間を通して共に学びを深めていきます。開講式では緊張の面持ちだった受講生の皆様も、交流しながらお昼を食べてすっかりリラックスした様子でした。まるで旧知の友どうしのような雰囲気で、絵本という共通の話題があるからこそだと実感しました

講義・藤井勇市

 

 午後の部、いよいよ、むのたけじ氏の講演という時、会場は緊張感に包まれました。「絵本講師・養成講座で記念講演・むのたけじ氏は3年連続の講演(芦屋と東京を合わせ毎年2回)で、全部数えて今回が6回目であること、近著「100歳のジャーナリストからきみへ」(汐文社)が出版に至ったエピソードなどからお話が始まりました。

 「今日は大きく3つのことについてお話します」とのことで、一つ目は90歳代から幼児の育てにまつわる勉強会に呼ばれることが多くなり、ご自身の子育てしていた時期を思い出し自己反省していることがある、というお話。二つ目は、人類が絵をどのように捉えて生活に根ざしていたかという、考古学から見た絵や絵本のお話。ここで名言「絵・絵本は人類文化の本流」に触れました。そして、三つ目は、現在の政治における国家運営体制や有権者の政治に関する無関心さについて。特に、統一地方選挙が過去最低の投票率だったのは、有権者が子どもの将来を他人に預けてしまっているもの、と語気を強めておられました。

 幼少青年期は人生のどんな時期かを木にたとえると、根を大地に張って太い幹をのばすときで、子どもには一生の根幹づくりの時期にふさわしい学びや人との関わりを作ってほしい。そして、人は一人一人違い代用品を作れない一人きりの大切な存在なのだから、自分を大切にしてほしいとおっしゃっていたのが印象深く心に残っています。

 時折大きい声で語り、拳を力強くどんどんと机に叩きつける、エネルギーに満ち溢れたむのさんの講演を受講者のみなさんは固唾をのみつつ聴いていました。

 講演会前にご著書にサインをして頂いた時、握手をしてくださった手はとても力強く、そしてとても温かかったです。また来年、同じ場所でお会いできることを楽しみにしています。

(かわぐち・ゆみ)

 


むのたけじ氏の記念講演
むのたけじ氏の記念講演

第12期「絵本講師・養成講座」
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