第12期「絵本講師・養成講座」東京会場第3編が2015年9月19日(土)、飯田橋レインボーホールで開催されました。雨続きの天気が久しぶりにすっきり晴れて、私たちの学びを応援してくれているかのようなさわやかな天気でした。
午前の部は、飫肥糺氏の講演から。演題は「いまの世で、絵本から学べること」です。紹介された絵本『せんそうしない』(谷川俊太郎/文、江頭路子/絵、講談社)に、積極的平和主義なんて言葉はない!というお話に、改めて、普段聞き流している言葉の数々が頭に浮かび、それこそ、積極的に語るべき言葉の力を学び続けること、子どもたちに伝えることの大切さを心に刻みました。
飫肥氏の静かでおだやかな語りと共に『おもいだしてください、あの子どもたちを』(チャナ・バイヤーズ・アベルズ/構成・文、飫肥糺/訳、汐文社)の読み聞かせに、残酷な映像や写真以上に、これらの無垢な瞳を持つこどもたちに起こったことを想像するほうが、ぐっと戦争の悲惨さや怖さが心に迫ってくるような気がします。
絵本はエッセンスのみ、余計なものがそぎ落とされているというお話にもっとシンプルに、余計なものがそぎ落とされた、しかも大切なものを見失わない世の中になればと願わずにはいられません。
そして、午後の、とよたかずひこ氏の講演「でんしゃにのってももんちゃんがやってくる〜自作を語る」。ご自身の子どもたちとの交流や子育て、また、おばあさまから語り継がれたお話が、とよた氏の一つひとつの絵本の創作の原点となりヒントとなったことを知り、また絵本の主人公から醸し出される温かな雰囲気につながっていることを感じました。
自作で読み聞かせをされた時のエピソードや子どもたちの反応など、とよた氏の気さくでユーモア溢れるお話には、何度お聞きしてもお腹の底から笑って、楽しく、心温まる思いです。
最後に、グループワークの前いつもお話しをしてくださる藤井勇市専任講師が体調を崩されてご欠席ということで、代わって、池田加津子理事がお話しをしてくださいました。「藤井専任講師なら、こういうであろう」ということを踏まえて、そのご意向を組んだお話であると同時に、ベテラン講師でもある池田理事の深い思いとお心遣いを感じた時間でした。
今回オブザーバーとして参加させていただいたグループワークでは、皆さんの絵本に対する思いや、それぞれのご意見や強い意思を感じられた積極的な議論が盛んに行われ、親として祖父母として、お仕事やボランティア上関わる子どもたちに対する思いと熱気で、秋も深まりつつある日にかかわらず、会場では、暑さを感じた1日でした。
第4編は、11月28日に開催される予定です。次回は、藤井専任講師が体調を快復されて、またその辛口とユーモア溢れる語りで私たちの背筋を伸ばしてくださいますことを期待しつつ、美しい紅葉とともに学べる日を楽しみにしております。
(さとう ひろみ)
グループワーク風景
|