絵本講師養成講座

報告者
今泉 恵子
芦屋2期
中村 利奈
第3編 ~ 絵本講座について ~

2017年08月26日(土)CIVI研修センター新大阪東

主催:NPO法人「絵本で子育て」センター
協賛:アリス館・岩崎書店・偕成社・金の星社・こぐま社・鈴木出版・童心社・福音館書店

この「絵本講座」は学びの多様性を知る場所

 第14期「絵本講師・養成講座」大阪会場第3編が2017年8月26日、CIVI研修センター新大阪東にて開催されました。講演 飫肥糺氏  

 午前の部は飫肥糺先生の講演です。「いま、ことばがあぶない!! -子どもたちととりもどしたい、ことばのかずかず-」と題され、世の中全体に対する危機感と大人のあり方、「平和」とはどんなことなのか、を絵本を用いながらお話ししてくださいました。

 うそを平気でつく政治家、では私たち大人はそこへどう対応するのか。便利さと引き換えに失ってきた心のかけら、それらが溜まって若者から目の輝きを奪っている現代社会。そこにどう向き合うのか。「各々が、1ミリづつでも世の中を前へ動かす試みをすること。この講座の参加者もそういう思いではないのか」とおっしゃる飫肥先生の言葉に、皆さん真摯にうなずいておられました。「平和とはなにか」を常に考え続けること、「大人のあり方」を再考する責務、絵本から学べる多くのことなど、得るものの多い講演に、受講生のメモを取る手が止まりませんでした。皆さんの真摯な表情が印象的でした。

  お昼休みをはさみ、午後の部の最初は、とよたかずひこ先生の講演です。「自作を語る」とタイトルにも講演 とよた かずひこ氏ある通り、たくさんの作品を読んでくださいました。後方の方にも見えやすいようにと丁寧に準備してくださった紙芝居に始まり、どの作品にも皆さんぐんぐん引き込まれていました。作品の楽しさはもとより、声の調子、読み方、間の取り方、紙を引くタイミングなどの全てに「楽しんでもらいたい」というとよた先生の思いが感じられます。その後も絵本と紙芝居の違いや、絵本作家になったきっかけ、作品誕生の秘話、自身の作品に対するこだわりなど、多彩な内容と素晴らしい話術に会場は常に笑いに包まれ、とても楽しい講演でした。中学生とのハイタッチのエピソードがありましたが、言葉にならない感情をとても大切にするとよた先生のお人柄が心に沁み、温かみ溢れる作品たちの神髄はここにあるのだと納得した思いでした。絵本のことのみならず、人前に立って思いを伝える人間としての心構えなど、今後絵本講師として活動していく皆さんにとって、随所から学びの溢れる講演でした。 講演 大長 咲子

 その後は大長咲子副理事長、藤井勇市専任講師から、この養成講座の学び方についての説明がありました。「読み聞かせ」という呼び方について、ボランティアと絵本講師の違い、著作講師 藤井勇市権について、グループワークの進め方などでした。中でも、テキストや書物を理解するのが「学び」ではなく、そこから新たにどんな疑問をもつことができたのか、それが「学び」である、という言葉に皆さん表情を引き締めていました。子どもや孫たちが生きていける社会なのかを常に考えることなど、絵本講師としての在り方を示唆され、後のグループワークの話題にも活きていたと感じました。

 グループワーク

 様ざまな学びに飽和状態になりながら、それでも仲間たちと共に学ぶ楽しさを実感している皆さんの姿を、とても頼もしく感じた1日でした。

 

 

 

 

(なかむら・りな)中村 利奈


(講座風景)

講座風景

第14期「絵本講師・養成講座」

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