2025年1月18日(土)
第21期第21期「絵本講師・養成講座」東京会場第5編が2025年1月18日(土)に飯田橋レインボービルで開催されました。
午前の部は、受講生の皆さんが待ちに待った、森ゆり子理事長の絵本講座「絵本で子育て」の実演が行われました。
理事長の穏やかな声でのお話に、受講生のみなさんは、リラックスした様子で聞き入っていました。絵本『ちびゴリラのちびちび』(ほるぷ出版)の紹介をされ、「だいすきだよ!」というフレーズがたくさん入っている絵本を読んであげることは、自分が言われているのと同じ体験ができると言うお話に、皆さん、深くうなずいていました。
次に、今、日本で一番売れている絵本『いない いない ばあ』(童心社)では、別れてもまた会える、不安から安心という体験から、自分は大切にされている存在であるという自尊心が育つということ、また、子どもたちは絵をしっかりと読みとり、いろいろな絵の変化にきづき、ストーリーを自分で想像していくので、絵本は表紙から裏表紙までしっかり読んであげてほしいという言葉が心に響きました。
また、『いいこって どんなこ?』(冨山房)では、今、家庭に言葉が少なくなっている、親が子どものことを大切に思い一生懸命育てたとしても、その気持ちが子どもに伝わっていなければ、愛を伝えたことにはならない、子どもをまるごと受け止めて、子どもにわかるように伝えてほしい、と熱く語られました。そして、絵本の読み聞かせをすることで、子どもに愛を伝える5つの方法~『子どもに愛を伝える方法』(築地書館)から~がすべて満たされるというお話を聞き、受講生の皆さんは、絵本がもっている力や、家庭での読み聞かせの役割、絵本で子育てすることの大切さを実感した様子でした。私自身、「絵本を読むということは、愛を伝えること!」という理事長の力強い言葉を聞き、絵本で子育てすることの大切さを伝えていく絵本講師の役割の大きさを再確認しました。
午後の部は、片岡直樹氏(小児科医・川崎医科大学名誉教授)の講演が行われました。「テレビ・ビデオが子どもの心を破壊している」と題して乳幼児期の電子メディア接触と言葉の遅れについて、3つの症例をあげてお話されました。とても興味深いもので、電子メディアが乳幼児に与える影響の深刻さを痛感しました。また、『自閉症スペクトラム』を例に、話しことばとは親子間の応答環境から自然に出てくるもので、知識として大人から教えられる読み書きことばとは違うということ。お母さんと赤ちゃんの心の響き合いの中で、口真似をしているうちに話しことばは身についていくものだと教えてくださいました。
そして、乳幼児期の電子メディア接触を見直し、五感を育てる育児へ方向転換することが大切で、五感の体験から感情が育ち、真似をすることでコミュニケーション力が芽生えると語られました。そのことからも、親子の触れ合いとして絵本を読むことはとても良いことだと再認識することが出来ました。
その後、池田加津子理事(芦屋2期生)より、講座の学び方や、最終課題の記入方法について説明があり、引き続きグループワークの時間となりました。
グループワークでは、前回の課題を見直したり、最終課題について質問しあったり、絵本の紹介をしたりと、時間ぎりぎりまでヒートアップした話し合いは続き、今回も充実した内容で、第5編の実践編は終了しました。(おおいで・あゆみ)