2022年5月29日(日)飯田橋レインボービル
全体風景
2022年度 第1回「絵本講師の会」(はばたきの会)東京交流会が2022年5月29日(日)、飯田橋レインボービルにおいて開催されました。
中田朋子
新緑もまぶしい初夏の日差しのもと、全国から31名の絵本講師が集まり、中田朋子さん(東京7期)の司会で交流会が始まりました。
森ゆり子
最初に森ゆり子理事長より開会の挨拶をいただきました。前日に93名の受講生を迎え、今年度の第19期「絵本講師・養成講座」がスタートしたという報告がありました。現在、絵本講師は2000人を超えました。2000人の絵本講師がいれば2000通りの絵本講座があっても良いので、伝えたい思いを持って皆さん一歩を踏み出してくださいという言葉に大変励まされました。
池田加津子
続いて、池田加津子副会長(芦屋2期)より会則説明がありました。本会の目的や活動、組織について確認した後、今年度の役員と幹事の発表があり参加者の拍手をもって承認されました。
次に参加者31名全員の自己紹介があり、会場の前方で一人ずつ簡単な挨拶をしました。
支部紹介
その後、各支部の代表者から何名でどんな活動をしているかお話がありました。今回は、千葉支部、つくば支部、足立・埼玉支部、山形支部、世田谷支部の5つの支部の紹介でした。
大長咲子
大長咲子副会長(芦屋1期)より「絵本講座をする前に」というお話がありました。広報活動や講座の報告のために必要なことなどを丁寧に説明して下さいました。また、著作物利用申請書の提出についてなど絵本講座をするための心構えから注意事項まで、自信を持って講座をするために大切な事柄を具体的に教えていただきました。
清水智恵子
午前の部の最後は、清水智恵子さん(東京16期)による絵本講座の実演がありました。「保育の中での絵本読み聞かせ」というタイトルで、保育士・幼稚園教諭向けの講座でした。絵本講師にとっては、これからの実践に向けて大変参考になりました。『はじまりは愛着から』(佐々木正美/著、福音館書店)や『絵本は心のへその緒』(松居/著、NPOブックスタート)など育児や絵本に関する評論の一部を引用された説得力のある内容でした。特に印象に残った点は、絵本の力で“子どもに『生まれてきて良かった』と思わせたい”というメッセージです。絵本で、自己肯定感を高め信頼関係を築いていくことで、子どもに寄り添っていく……。大切なことをあらためてじっくり考える機会をいただけた素敵な時間でした。
加崎湖都美
昼食後、午後の部の『絵本はこころのごはんです』と題して、加﨑湖都美さん(東京17期)による絵本講座の実演から始まりました。放課後児童クラブとこども食堂、ブックスタートボランティアに関わってきた中で出会った子どもたちとの絵本を通した交流について丁寧に語られていました。時間のない子育ての中でこそ絵本を使って、心の豊かさを育んでほしい。赤ちゃんにとっては、特に絵本はコミュニケーションツールであることを伝えてほしい。紹介された多くの絵本や経験されたエピソードから「絵本で愛を伝えたい」という強い思いが伝わってきました。豊かに見える日本の社会ですが、実際は精神的幸福度38か国中37位(ユニセフ報告書2020年)という実情も紹介され考えさせられる内容でした。
藤井勇市
続いて、時事放談と題して藤井勇市顧問によるお話がありました。メディア・リテラシーが今より大切な時代はないと語られ、報道のあり方や情報の受け取り方など普段あまり深く考えていなかったことを思い知らされました。この国のいまを理解するための3冊も紹介されましたので、今後はテレビ・新聞以外のメディアにも目を向けて幅広い情報収集を心がけたいです。
終盤は6グループに分かれて、グループワークの時間が設けられました。各グループとも自由なテーマで活発な議論がなされていました。私のグループは「戦争を子どもにどう伝えるべきか、紹介したい本があれば教えてほしい」という声があり、意見を出し合いました。連日、ロシアの戦争報道がなされて子どもたちの目にも否応なしに映像が飛び込んでくる日常で、私たち大人にできることはあるのかという問いに、まずは安心感を与え平和の大切さを伝えたいという回答で全員一致しました。『おとうさんのちず』(ユリ・シュルヴィッツ/作、さくまゆみこ/訳、あすなろ書房)、『そらいろ男爵』(ジル・ボム/文、ティエリー・デデュー/絵、中島さおり/訳、主婦の友社)、『キンコンカンせんそう』(ジャンニ・ロダーリ/文、ペフ/絵、アーサー・ビナード/訳、講談社)などを読み聞かせてみてはどうかという意見が出ました。
池田加津子
最後は池田副会長(芦屋2期)より、閉会の挨拶をいただきました。今日は限られた時間の中で素晴らしい絵本講座の実演を2つお聞きして有意義な時間を過ごすことができました。皆さんそれぞれの場所に持ち帰り、今後の活動に活かしてほしいと語られました。
片道2時間以上かけて思い切って出掛けた今回の交流会でしたが、同じ志を持った仲間と交流でき、今後につながる有意義な時間を過ごさせていただきました。小さな一歩を踏み出す勇気をもらえた貴重なひとときでした。
(まえざわ めぐみ)
2022年度 第1回「絵本講師の会」(はばたきの会)東京交流会 まえざわ めぐみ
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